ビットコインの便利な使い方は?買い物や電気代の支払いにも使える!
2017年は仮想通貨元年になる、といわれていました。
ビットコインは予想をはるかに上回る高騰を記録し、さまざまなメディアでビットコインがニュースになる機会が一気に増えました。
ビットコインの使い方として、よくあげられるのは国を超えた送金です。
しかし、それだけではなく、買い物のような日常の利用も少しずつですが拡大しています。
今回は、リアル店舗での買い物や公共料金の支払い、ビットコインでチャージできるVISAのバンドルカードなど、さまざまなビットコインの使い方について徹底的に解説していきます。
ビットコインは投機以外に使い道がない?
ビットコイン元年といわれた2017年。
現在は一転して落ち着いていますが、2017年末には1BTCが200万円を超える最高値を記録し話題になりました。
しかし投資対象としての盛り上がりとは別に、周りを見回してもビットコインが使える店がなかなか見つからない、と感じたことはないでしょうか。
ここでは日本でビットコインが使えるお店の一部を紹介します。
- ビックカメラ
- MULKAG(オンライン家具店)
- DMM.com(オンラインゲーム等総合サイト)
- ビットコインモール
- チケットキャンプ
- メガネスーパー
- コジマ(一部店舗のみ)
- ソフマップ(一部店舗のみ)
2017年1月現在、日本国内で、ビットコインが使えるのは通販サイトで59店、リアル店舗で235店しかありません。
その中でも、全国チェーンの全店舗でビットコイン決済を導入しているのはビックカメラやメガネスーパーなど、まだまだ少数にとどまります。
このため、ビットコインは購入したけれど、実際の買い物などで使ったことがない、という方が大半なのではないでしょうか。
ビックカメラでビットコインを使ってみよう
ビットコインでの買い物の例として、ビックカメラでのビットコイン使用方法をみていきましょう。
ビットフライヤーの利用が確実
ビックカメラでは、ビットコイン決済にbitFlyer(ビットフライヤー)のシステムを利用しています。
ビットフライヤー以外の取引所のウォレットも、使用できなくはないのですが、規定の時間内に取引が確定せず、エラーになってしまう可能性があります。
これはリアル店舗だけでなく、ネット通販の場合も同様です。
ネット通販の場合、無効になった場合には返金されるのですが、それもビットフライヤーの口座にしか返金できません。
ビックカメラでビットコインを使いたい場合には、まずはビットフライヤーで口座を開いておくことが前提条件となります。
ビットコインで決済する手順
ビットコインで決済する場合には、ビットコイン決済可能なレジに商品をもって並びます。
店員の方がビットコイン支払用のQRコードを作成し、専用端末の画面に表示させます。
スマホのビットフライヤーアプリを開き、右上にあるQRコードボタンを押し、カメラでQRコードを読み取ります。
請求金額がBTC単位と日本円で表示されるので、「支払う」ボタンを押して確定します。
「支払いが完了しました」という画面になるので「OK」ボタンを押して取引終了です。
ビットコインで決済する場合の注意点など
あらかじめビットフライヤーのアプリさえ用意しておけば、ビットコイン決済の手順はさほど難しくはないでしょう。
注意点については、繰り返しになりますが、ビットフライヤーの口座で決済することがマストです。
また、ビットコインを利用する場合には、支払い限度額があります。
導入当初は10万円でしたが、利用者が増加し、客単価も倍増したことを受け、2017年12月から30万円に引き上げられています。
なお、これは1回の限度額なので、たとえば30万円のものを4個購入したい場合には1回ずつ決済すれば大丈夫です。
また、ポイントについても現金払いと同じだけつくので、クレジットカード利用よりもお得ですね。
ただし、ビットコインのレートでみると、取引所で日本円に交換した場合よりも割高なレートとなっているので要注意です。
「バンドルカード」ならビットコインでチャージが可能
これまで見てきたとおり、ビットコインが使用できる店はまだまだ少ないのですが、それでもビットコインで決済したいという方に朗報なのが、VISAが発行するVANDLE CARD(バンドルカード)です。
バンドルカードとは?
バンドルカードは、VISA加盟店で使用できるデビットカードで、現金以外にビットコインでのチャージも可能なのが特徴です。
ビットコインのチャージはコインチェックと連動しているので、口座を事前に開設しておきましょう。
決済自体は、通常のクレジットカードやスイカなどと同様にリアルカードで行う必要がありますが、チャージや明細確認はスマホのアプリで簡単に行えます。
使い方も、クレジットカードやスイカなどと変わりませんし、年会費も不要です(リアルカード発行料300円のみ必要)。
現金決済とかわらないので、「クレジットカードだと使いすぎてしまって…」と、抵抗がある方でも安心ですね。
日本の会社が運営しているので、サポート体制も万全なのもポイントです。
チャージの上限額には注意が必要
使い勝手がよいバンドルカードですが、チャージにさまざまな上限額がある点は注意が必要です。
まず、総チャージ額は100万円です。
もし100万円以上バンドルカードで持っておきたい、という場合には、新規に追加発行することになります。
また1回あたりのチャージ金額にも3万円、月間では12万円となっているので、利用の際は気をつけておきたいですね。
ビットフライヤーVISAプリペイドカードとの違いは?
コインチェックと並ぶ仮想通貨取引所大手、ビットフライヤーも2017年10月6日からビットフライヤーVISAプリペイドカードを発行しています。
実は、バンドルカードとこのビットフライヤーVISAプリペイドカード、基本的には同じものです。
バンドルカードをビットフライヤーブランドとして発行しているだけなので、使い勝手や仕様は変わりません。
通常、自分がよく利用している取引所に応じて選べばよいでしょう。
特に年会費などもかからないことから、両方発行して持っておいてもよいかもしれませんね。
実は店側にもメリットが大きいビットコイン決済
実は、通常のクレジットカードよりも、ビットコイン決済の方が店側にもメリットがあることをご存知でしょうか。
ここでは、ビットコイン決済を導入した際の店側のメリットを理由別にみていきましょう。
ビットコイン決済のメリットその1:手数料が安い
クレジットカードの場合、お店側ではカード会社に手数料を支払う必要があります。
カード会社によっても異なるようですが、おおむね支払い金額の3~5%が相場のようです。
たとえば、カフェなどで年商4,000万円程度の、それなりに流行っている店でシミュレーションしてみましょう。
4,000万円の内、3割がクレジットカードによる支払いとすると、手数料を5%とするとカード会社に支払う額は次のとおりです。
4,000万円×0.3×0.05=600,000円
年商4,000万円の飲食店であれば、経営者の平均年収は557万円という調査結果があります(日経レストラン調べ)。
ビットコインの場合、お店に直接支払うのであれば、手数料自体が不要になります。
この手数料がなければ、経営者は年収が1割アップすることになるので、この差はかなり大きいと思いませんか?
こちらを利用すれば、変動リスクなしに現金で受け取ることができます。
手数料は必要ですが、1%程度と低いので、クレジットカードに比べれば格安でしょう。
ビットコイン決済のメリットその2:入金が早い
クレジットカードの場合、当月分をまとめて翌月もしくは翌々月に、手数料分を引いてお店に支払うことが多いようです。
一方、店の経営者としては、従業員への給料を、「クレジット会社からの入金が翌々月だから、給料も翌々月払いで」、とはいきません。
飲食店で、クレジットカード利用不可の店が、欧米などに比べてまだまだ少ないのは、手数料の高さに加えて、この入金と支払いのタイムラグを嫌うことも理由の一つでしょう。
ビットコインであれば現金と同じで、運転資金の心配が減るのは安心材料でしょう。
ビットコイン決済のメリットその3:導入コストが低い
クレジットカード場合、専用の読み取り端末を用意する必要があります。
またクレジットカード会社に登録申請する必要もあり、そういった手続きをすべて代行する、代理店もあるぐらいなので、なかなか面倒です。
手数料の問題と絡んで、日本でなかなかクレジットカードが使える店が増えなかった要因の一つといわれています。
それに比べると、ビットコインの場合は、端末はスマホやタブレットが使えますし、あとはPCさえあればハード的には問題ありません。
今はPCもスマホもお店にあるのが当たり前になっているので、実際の導入コストはほぼゼロといえるでしょう。
ビットコインの利用がもっと拡大するためには何が必要?
これまでみてきたように、ビットコイン決済の導入は、店側にとってもメリットがあります。
これから、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控えて、ビットコインが利用できる店舗やサービスが増えてくるという見方もあります。
両替の必要もなく、スマホがあれば簡単に決済できるビットコインは海外からの旅行者にはとても便利な存在でしょう。
ただし、ビットコインがこれからリアル店舗で利用できるようになるためには、以下にみていくようないくつかのハードルを乗り越えていく必要があります。
取引処理能力が低い!
みなさんが通常使っているクレジットカード、1秒間にどれぐらい処理できるかご存知でしょうか。
大手の信販会社では、1秒間に処理できる件数は約2,000件といわれています。
実際に利用している印象でも、「確定」ボタンを押してからほぼ数秒で完了するので、「長いな」、と感じる場面はほぼないでしょう。
これに対し、ビットコインの場合は1秒間に約6件しか処理できません。
ブロックチェーンとは、10分間に一回、いくつかの取引をひとまとめ(=ブロック化)にして記録し、暗号化して、つなげていくものです。
ここで問題になるのが一つ一つのブロックの大きさです。
ビットコインの場合、一つのブロックの容量が1MBと設定されています。
一つの取引のデータは約250Bといわれているので、1MB(1,000,000B)÷250=4000件という計算になり、それを1秒間で計算しなおしたのがさきほどの1秒間に6件の根拠なのです。
ブロックの容量を増やすのは困難
各ブロックの容量が1MBしかないのが問題なら、容量を増やせばいいのでしょうが、それほど単純な問題ではありません。
実際、当初1ブロックは36MBに設定されていました。
1MBに変更されたのは、主にセキュリティの確保のためといわれているので、その問題を解決できない限り、一足飛びに1ブロックを10MBに拡大するといったような対応は難しいでしょう。
Segwitという機能が追加され、容量は1MBのままで、より多くの取引を格納できるようにはなりましたが、今後ビットコインの取引量が増えてくれば容量不足になるのは目に見えています。
価格変動が大きすぎる
ビットコインは2017年12月から2018年1月にかけて大きく値を下げました。
12月には200万円を越えていた1BTCが、1月半ばには110万円台を記録するなど、ほぼ価値が半分になっています。
いくら売り上げが上がっても、ビットコインの価格変動だけで吹き飛んでしまうレベルです。
ビットコインの購入価格と売却益の差額は雑所得に区分されるので、値下がりで損が発生しても損金として差し引きすることができません。
一方で高騰した場合には、その分、税金もかかってくることになるので素直には喜べません。
現状、店舗側がビットコインの導入にまだまだ消極的なのはこういった事情が影響しているのでしょう。
ビットコインの利用はまだまだ始まったばかり
相場の熱気に反して、実際にビットコインを利用している人はまだまだ少ないようです。
どうしても、今は動きの派手な投資面にばかり注目が集まりがちですが、今後、相場が落ち着くとともに、日常生活での利用も拡大していくのではないでしょうか。
ビットコインを利用した、新たなサービスがこれから登場してくる可能性も十分あります。
これからのビットコインをめぐる動きに注目していきたいですね。