仮想通貨暴落の原因は一体何?2018年の出来事と暴落の関係性

ビットコインが2018年1月後半~2月初旬には1BTC=100万円を切るほどの暴落となりました。2017年12月の暴騰から一転の急落です。

もうビットコインのチャート意味わかんない!今回の暴落の原因ってなんなの!?
暴落の原因はひとつとは限らないぞ!複数の要因が重なって起きる場合もあるから要注意だ。

今回の暴落がなぜ起きたのか、さまざまな側面から分析してやろう。

諸説あり真偽は不明

「この下落はこれが原因」というのは、往々にして断定しにくいことが多く、今回の暴落も、たとえば数年前の「マウントゴックス事件」のように、明確な特定の事件に関連したものだと言い切ることが出来ないのが実情です。

以下、幾つかの説をわかりやすく説明していきます。

中国政府の仮想通貨禁止態度の高まり

また、さらに大きな理由として言われているのが、中国政府の仮想通貨取締の強化の動きです。ブルームバーグの1月上旬の報道によれば、中国政府当局は、国内の仮想通貨取引所へのアクセス制限を強化し、必要に応じて遮断する措置をも検討中とのことです。

2017年にも中国政府の姿勢がらみで暴落がありましたが、それでも、かつての問題は仮想通貨取引所の運営についてでありました。今回の報道によると、仮想通貨を扱う小規模でない、ある程度のサービスは取締の対象になっていくようです。(個人的少額の取引は対象外になる見込み)

今回はさらに範囲を広げた措置がなされるらしいとのことで、中国人の投資家が不安を感じているようです。

当局は今後、中央集中型の仮想通貨取引所とビットコインを利用した商業サービスをさらに監視し、必要であれば制限を加える示唆をしています。

かつてより少なくなったものの、まだまだ中国人のビットコイン投資は規模が大きく、このような中国政府の動きは中国人投資家にとって大きな打撃となりまし。

この流れで、一気に売却のムードが市場に湧き、パニック売りに繋がったのではないかという意見が根強いのです。

仮想通貨「テザー」の詐欺疑惑によるものか

仮想通貨はそれぞれ特徴があり仕組みも多種多様ですが、テザー社という一企業が発行している仮想通貨「テザー」は、1テザー(USDTという単位)を1米ドルで固定したレートでの換金を保証しています。

ビットコインは「必ず1BTCを150万円で換金する」との保証する団体も会社もどこにもありませんが、このテザー(USDT)は米ドルという法定通貨と連動している仮想通貨なのです。

テザーは1社(テザー社)が発行しているもので、いわば「商品券」のようなものです。テザー社の業績などに不安があれば、信用されなくなります。

すでに2400億ドルを集めて、それと同額のテザーが発行されているとされますが、それだけの人気があるのも、ひとえにテザー(USDT)はテザー社が保有する「と言われている」米ドルの準備金に裏打ちされているからです。

しかし、かねてから仮想通貨を扱う業界やビットコインコミュニティ等では、テザー社が十分な準備金を持っているのかどうか、ありていに言えば、「テザーを乱発して、実際は客の金は使ってしまった」のではないかという疑惑が払拭されていません。

そのためテザー社は貸借対照表履歴の監査手続きのため、米国の監査法人(フリードマンLLP)と契約を結んでいました。

そのテザー社が監査法人との関係を打ち切ったという噂が最近出てきました。しかし正式な発表はなく、憶測として「監査人が、これはクロだ、問題なしと発表できるようなものではないと降りてしまったのではないか」と見られています。

監査人がいなくなり、2400億ドルの現金はどこにあるのか確かめることができていません。他の目的で使われているのかもしれませんし、さらには、そもそも顧客が入金した金額以上に「乱発されている」のかもしれません。

正式声明なしに監査法人との関係を打ち切るというのは、出資している(テザーを購入している)人に不安を抱かせます。

さて、テザー社と世界トップクラス規模の仮想通貨取引所であるBitfinexは、共通の株主がいますが、2017年にはUSDTがらみでレバレッジ取引が大口で行われました。

過去の問題から現在銀行取引ができないbitfinexが、USDTを利用して資金を集め、それでビットコインの相場を動かすほどの大きな取引で市場操作しているのではないかという疑惑があります。

兄弟会社にテザーを乱発させて、自分の取引所で証拠金としてレバレッジ取引をしているのであれば、ほぼ「ただでビットコインを増やす」のと同義です。

これらの流れから、テザー運営会社と監査法人が関係を打ち切ったとの報道で、「これはいよいよあぶないのではないか」との不安から、1月27日以降、ビットコイン相場も弱気な動きになってきました。

仮想通貨の基軸通貨であるビットコインが弱含みになれば、その他の仮想通貨も価格が下落傾向になるのは周知の事実で、実際多くのコインの価格が下落しました。今回の暴落はこの「テザー疑惑」によるものという見方も強いのです。

アメリカ経済との関連性

ご存知の通り、株式の世界ではNY市場、東京市場ともに株式相場が1月後半から下がりトレンドに入っており、続落全面安の局面も何度起こっています。特に米国株は暴落により、シカゴでのオプション取引所のVIX(ボラティリティー指数)37.3という、1日の上昇では過去最大の下落を記録しています。

この流れの中、ベテラン投資家の間でもリスク資産を減らそうという「圧縮」の動きが強まっています。

アメリカの雇用統計が定期的に発表されますが、最新の数値では、賃金上昇が報告されており、これによる米国内の長期金利上昇が今回の株式の下落の要因だと言われます。

さらに株価がどんどん下がり、ボラティリティーが上がり過ぎたため、所謂システムトレードなどによって、またはリスク・パリティー運用によって自動的な株の大量売りが発生し相場が暴落したと見られます。

多くの専門家、アナリストは、長期的なアメリカの金利上昇がハイペースで上がりインフレの懸念などが市場に織り込まれていると見ているそうです。

これにより日本でも日本株は急落し、所謂リスクパリティー運用ではみられない(これまでの)低リスクな株のポジションが多すぎたために、一気に売られたと見られています。

このような「大きな調整」が一気に来たために売られ、本来は株を売ってビットコインに逃げるような動きがあったところ、ここではそれがみられず、株売り・BTC買いの流れに繋がらず、同時売りになってしまったと指摘する声もあります。

ただし、この大幅な下げもかつてのリーマンショックのように金融システムに不安のある要素で起きたわければないため、中期的には値幅の調整は十分にあるでしょう。

つまり、「アメリカの金融商品相場の調整で一気に値崩れがきたため、その売りに巻き込まれた」という見方だと言えるでしょう。

BIS(国際決済銀行)の発言の影響

もとより仮想通貨に対し非常に厳しい見方を示しているのがBIS(国際決済銀行)です。

BIS?なにをしている所なんですか?
BISとは世界各国の中央銀行と国際機関に対して銀行業務を行う国際的な組織だぞ!

BISの総支配人であるアウグスティン・カルステンス氏は、かねてからビットコインについてバブルであるとか、「ポンジ・スキーム」(出資金詐欺)であると述べており、最近では上記に加えて「環境的破壊」も合わせた「複合体」であると批判しています。

カルステンス氏は、ビットコインは不法な取引に利用されやすく、現代の金融システムで金融機関がビットコインに関わらせないことが必要だ」との趣旨の発言をしました。

これには一部の国の銀行がビットコインATMを運用することについての「釘さし」と見られ、BISがあくまで反対するのであれば金融業界は仮想通貨へのコミットメントに躊躇することになります。

同氏はさらに、「仮想通貨で取引されるビジネスに不法取引があった場合、各国の中央銀行がその既存のインフラを利用した詐欺的仮想通貨取引を許してはならない」とまで強硬に発言しています。

このBIS強硬姿勢の流れと、前述のアメリカの金融不安による大量の売りが引き金になって暴落を引き起こしたのではないかとの意見も根強くあります。

実際のBIS総支配人の一言が効いたわけではないのですが、フィアットを扱うBISのトップが仮想通貨を邪悪だと見ている点は、ビットコイン相場の売り要因として大きなものだと言えるでしょう。

暴落後になりますが、カルステンス氏は各国中央銀行に対して、このような仮想通貨の規制をさらに強化するよう講演のなかで求めています。

カルステンス氏によれば、仮想通貨に対する人々の動きは単なる金儲けの「投機」による興味でしかなく、各国の中央銀行が厳格に規制しなければならないとのことで、BISの強硬な態度が同氏の就任後強まって来ています。

さらに、「当局の動きが先手を打たないのであれば、ビットコインのような仮想通貨が金融システムを侵食し、金融システムは不安定になっていくだろう」とまで批判しています。

同氏は根っからのビットコイン嫌いとして有名であり、メキシコ中央銀行で総裁をしていた昨年夏には、「ビットコインは通貨ではなく、そもそも商品にすぎず、サイバー犯罪に利用されやすい」としてあからさまな批判と警告を発していました。

カルステンス氏がBIS総支配人になっており、BISの対応は仮想通貨に厳しいものとなってきています。

相場調整にすぎず想定内という意見

ビットコインの価格は最高値からじわじわと値崩れし、半分以下になり、多くの投資家が不安を感じていますが、ベテラン投資家によれば、このような市場の動きは毎年のよう起きていると語っています。

英語では「Cryptocurrency Bloodbath」(仮想通貨の大量虐殺)と言われるような激しい暴落ですが、実際は初めてのことではなく、これまでにも何度か大きな下落は経験しているとのことです。

専門家も、ベテランも、「1月は株式などと同じように暴落するもの」と口をそろえて言います。アメリカの仮想通貨ファンド企業の社長は、「1月恒例の、お約束の大ガラ(大暴落)だよ」とブログに書いています。

「これまで何年かビットコインをホールドしてずっと相場を眺めてきた経験からすれば、想定内。今回の暴落はお約束ってやつで、目新しくもなんともない」とし、「ほとんど毎年の正月のお約束行事だ」と切り捨てています。

2016年には、仮想通貨の市場全体の価値が30%ほど下落しましたが、2ヶ月もしないうち(約45日)で回復しています。

「1月までに高値を掴んだ人は可哀想だったが、それでも43日間で回復したよ。それまで不安でしょうがなかっただろうけどね。」

翌年の2017年には、米ドル換算で220億ドルの価値がから144億まで下がり、これは35%の暴落でした。これは中国政府が厳しく仮想通貨を取り締まると発表し、取引所の検査を行う姿勢を見せたためでした。

それでビットコイン相場は14万円程度の相場が8万円までの価格が急落しました。

今見れば、あまりにも安いものですが、当時「10万円を突破した!超高値だ」や、「14万に達した!やばいんじゃないの」というほど、異常な高値が逆に危ぶまれていたところ、ちょうどそこへ中国政府ニュースが引き金となり、一気に売られたのでした。

しかし、この回復にも2ヶ月とかからず、50日ほどで回復しています。これは2017年1月~2月半ばのことでした。

そして今回の暴落はピーク時から約55%下がっています。

「ビットコイン相場の歴史」からいけば、2ヶ月を少し超える程度の時間がかかりますが、それでももとの価格まで回復するだろうと楽観視するベテラン投資家は少なくありません。

仮想通貨の暴落の原因はひとつだけではない

この記事では中国やアメリカといった国の情勢やテザー問題、BIS(国際決済銀行)の発言など、さまざまな角度からビットコインの暴落の原因についてご説明しました。しかし仮想通貨を巡る出来事は日々起きています。

例えば2018年1月26日、日本の仮想通貨取引所「コインチェック」がハッキング被害にあり、大量のNEMが盗難にあったことは記憶に新しいですが、一部にはこれが仮想通貨暴落の原因だと考える方もいます。

タイミング的にはたしかにぴったりあうのですが、そもそもビットコインの下落はその数週間前から始まっており、また盗まれたNEM(およそ600億円としても6万BTC程度)の量で考えても、その直接の被害を受けたNEMの相場を見ても、ビットコインの暴落に影響を与えているとは考えにくいでしょう。

また、韓国政府が仮想通貨を禁止する方向に動くという報道が影響を与えたとの意見もありますが、これももともとは韓国のメディアのフライングであり、その後韓国の金融委員会は、韓国内における仮想通貨の取引禁止は、法的根拠が現在無いため実現不可能だと2017年12月の段階で明言していますので、無関係だと考えられます。

このように仮想通貨の暴落の原因はひとつだけではありません。多くの要因が値動きに影響していると考え、常にニュースや情報を得る習慣をつけておくと良いでしょう。

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