仮想通貨法の内容を解説!仮想通貨を規制する法律と市場の今後

インターネットやクレジットカードなど、今となっては生活に欠かせない存在となったものも登場した当時は何かとトラブルが発生し、それに合わせた環境整備や法整備が急ピッチで進められました。

今はそのおかげで、トラブルを未然に防ぐような対策だけでなく、トラブルに巻き込まれたとしても被害者が保護されるような環境が整っているため、安心して利用できるようになっています。

仮想通貨もグローバル化が進む社会に対応するために、インターネットを介して使用することができる画期的な通貨として登場しました。

しかし、環境整備や法整備が追い付いていないことから、ハッキング被害が発生したりマネーロンダリングに利用されたりなどトラブルが相次いでいます。

そんな中、世界に先駆けて日本が仮想通貨法を制定することで、仮想通貨に対する国の容認姿勢を明確にするとともに、利用者保護を全面的にサポートすることになりました。仮想通貨法とは一体どのようなものなのでしょうか?仮想通貨法について見ていきましょう。

仮想通貨法はなぜ生まれたのか?

最近のcoincheck(コインチェック)の500億円以上の不正送金事件や年末から相次いでいる仮想通貨取引所のCMなどで仮想通貨を初めて知った人にとって、仮想通貨法が生まれた経緯をご存知ない人が多いのではないでしょうか?

仮想通貨法が生まれた背景には、コインチェックよりも前に起きた、まだビットコインが一部の人にしか認識されていない頃に発生したビットコイン消失事件が影響していると言われています。

それがマウントゴックス事件です。マウントゴックス事件の詳細について見ていきましょう。

マウントゴックス事件とは?

マウントゴックス社は、元々はマジック・ザ・ギャザリングという世界的に人気のあるトレーディングカードの売買を行っている企業でした。

2010年に、まだ登場したばかりのビットコインに興味を持ったマウントゴックス社の社長によって、カードの売買からビットコインの取り扱いを行う両替所に業態が変更されました。

マウントゴックス社はシェアをどんどん拡大していき、一時はビットコイン取引シェアの70%を占めるほどにまで急成長し、世界最大のビットコイン両替所にまで上り詰めます。

しかし、2014年2月に顧客の75万BTCと自社保有の10万BTCの合計85万(当時の価格で約114億円)と顧客からの預かり金28億円が消失しました。

この事件によって「ビットコインは危険なもの」という世間の認識が強まっただけでなく、マウントゴックス社が破産したことによって、被害にあった人たちの救済が困難になってしまったことなどをきっかけに政府が仮想通貨に対する環境整備や法整備に乗り出すようになりました。

その結果、誕生したのが仮想通貨法です。仮想通貨法の詳細について見ていきましょう。

仮想通貨法に記載されている主な内容は4つ

仮想通貨法は、平成28年5月に「資金決済に関する法律」と「犯罪による収益の移転の防止に関する法律」等を改正するという法案が成立したことを受けて、平成29年4月1日に施行されました。

仮想通貨法に記載されている主な内容は以下の4つです。

  • 仮想通貨の定義
  • 仮想通貨交換業者の登録制
  • 利用者の保護
  • 犯罪利用の防止
わかりにく~い!法律なんて理解しなくてもいいよね!
バカモノ!法律を知らなければ、なにが法律違反なのかわからないだろう!

それぞれの項目についてわかりやすく説明するから、しっかり覚えるんだぞ!

仮想通貨の定義

仮想通貨は、仮想通貨法において1号仮想通貨と2号仮想通貨に分けられるようになりました。1号仮想通貨及び2号仮想通貨とは、以下のような条件を満たした通貨を指します。

1号仮想通貨

  1. 物品の購入・借り受け又はサービスの提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用できること
  2. 不特定の者を相手方として購入・売却ができる財産的価値であること
  3. 電子機器その他の物に電子的方法により記録されていて、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの
  4. 日本および外国の通貨、ならびに通貨建資産でないこと

2号仮想通貨

  1. 不特定の者を相手方として1号仮想通貨と相互に交換ができる財産的価値であること
  2. 電子情報処理組織を用いて移転することができるもの

仮想通貨交換業者の登録制

今までは誰でも仮想通貨を取り扱うことができていましたが、仮想通貨法によって仮想通貨交換業を行う業者を登録制にして制限するようになりました。

仮想通貨交換業とは以下のいずれかの行為を事業として行うことを指します。

  1. 仮想通貨の売買または交換
  2. 仮想通貨の売買または交換の媒介、取次ぎまたは代理
  3. 上記2つの行為に関して、利用者の金銭または仮想通貨の管理をすること

上記のような仮想通貨交換業を行う場合には、内閣総理大臣の登録を受けなければなりません。登録を受けて初めて仮想通貨交換業者に認定されたことになります。

登録を受けるためには以下の要件を満たしている必要があります。

  1. 株式会社または外国仮想通貨交換業者(国内に営業所が必要)であること
  2. 外国仮想通貨交換業者は、国内における代表者がいること
  3. 資本金の額が1,000万円以上で、総資産額がマイナスでないこと
  4. 仮想通貨交換業を適正かつ確実に遂行する体制の整備が行われていること
  5. 法令遵守のために必要な体制の整備が行われていること
  6. 他に行う事業が公益に反しないこと
  7. 取締役もしくは監査役または会計参与等が破産や刑に処された等の欠格事由がないこと

仮想通貨交換業者を登録制にすることによって質を一定以上に保つことができるため、トラブルを未然に防ぐ体制が出来上がることになります。

2018年2月27日現在では、関東財務局13業者、近畿財務局3業者の合計16業者が仮想通貨交換業者として認定を受けています。

利用者の保護

利用者の保護を強化するために、登録業者の行為に対して規制を加えることによって、仮想通貨の売買に伴うリスクを軽減できるようになりました。仮想通貨交換業者に加えられた規制は以下の通りです。

  • 名義貸しの禁止
  • 情報の安全管理
  • 委託先に対する指導
  • 利用者の保護等に関する措置
  • 利用者財産の管理義務
  • 指定仮想通貨交換業務紛争解決機関との契約締結義務等

利用者の保護等に関する措置では、取引判断に必要な正確な情報が提供されるように、利用者への説明や情報提供義務が課されるようになっています。

また、利用者財産の管理義務では、利用者の金銭または仮想通貨を自己の金銭または仮想通貨と分別して管理する分別管理義務が明示されました。

分別管理に関しては、実際に実施できているかどうかを公認会計士や監査法人によって外部監査が義務付けられるなど、徹底するようになっています。

違反した場合には、罰則が適用されるなど、仮想通貨交換業を行う場合には、一定の責務を負わなければならないようになりました。

犯罪利用の防止

資金決済法上に仮想通貨が制定されただけでなく、仮想通貨交換業者は、犯収法上の「特定事業者」として、以下のような義務を負うことになっています。

  1. 口座開設時の取引時確認義務
  2. 確認記録・取引記録等の作成・保存義務
  3. 疑わしい取引の届出義務
  4. 社内管理体制の整備

マネーロンダリングとは、犯罪などによって得られた資金を、資金がどこから発生したものなのかわからなくするために、架空または他人名義の口座を転々とさせることによって、資金洗浄をすることです。

仮想通貨は匿名性の強いものであるため、マネーロンダリングに利用されることが多かったのですが、仮想通貨交換業者に対して義務を課すことによって、犯罪利用の防止に努めるようになりました。

このように日本では、仮想通貨法が成立するなど仮想通貨を容認する立場を示しています。

ふ~ん、結構しっかり法整備されてるのね!だけど海外ではどうなのよ?
やはり国によって仮想通貨に対する立場は異なるな。各国の仮想通貨に対する姿勢を解説するぞ!

法律で仮想通貨取引を規制している国

次の国では法的に仮想通貨の取引を規制しているため、違反した場合には厳しい罰則が適用されてしまいます。

アイスランド

アイスランドでは、外貨としてのビットコイン売買は禁止されていますが、マイニングによってビットコインを手に入れることに関しては規制されていません。

エクアドル

エクアドルでは、電子マネーなどの現金を持ち歩かない決済手段は推奨しているものの、ビットコインを始めとする仮想通貨を取り扱うことは禁止しています。

ボリビア

ボリビアでは、多くの国民が銀行の口座を持っていないため、ビットコインなどの仮想通貨の需要は多いのですが、政府は仮想通貨を円などの法定通貨として認めておらず、ビットコインの取引だけでなくマイニングによって取得することも禁止しています。

仮想通貨に対する理解を示しながらも、仮想通貨の規制を行っている国

インド

インドでは、ビットコインに対して一部制限をかけながらも、国民の半数以上が銀行口座を持っていない現状に対して、様子を見ながらビットコインと向き合う姿勢をとっています。

中国(香港を除く)

中国では、金融機関がビットコインを金融商品として取引することを禁止していましたが、個人間でのビットコイン取引に関しては規制されていません。しかし、ICOと呼ばれるトークンと呼ばれる仮想通貨を発行することによって資金調達を行うものに関しては、信憑性が低いため、現時点では禁止されています。

ロシア

ロシアでは、円などの法定通貨に代わるものの使用を禁止しており、ビットコインもマネーロンダリングなどの可能性があることから禁止されています。しかし、ビットコインなどの仮想通貨の利便性には理解を示しているため、今後規制が緩和される可能性があります。

タイ

タイでは、一時的にビットコインなどの仮想通貨を全面的に禁止していましたが、現在は規制を一部緩和しており、外貨を使っての取引は規制されているものの、タイの通貨であるバーツでの取引は認めることになりました。

仮想通貨に対する規制が全く行われていない国

ブロックチェーンなどの画期的な仮想通貨の技術に対して、規制していた国も徐々に緩和する流れになってきています。仮想通貨に対する規制が全く行われていない国は以下の通りです。

アメリカ

アメリカでは、州ごとに法律が異なっているものの、一般的に仮想通貨に対して厳しい規制を行っている州は無く、世界最大の取引量を誇るCoinbaseなどは、政府が認めている取引所であるなど、国として寛容な姿勢を貫いていることが分かります。

イギリス

イギリスでは、全体的に仮想通貨に対して寛容な姿勢を見せており、日常生活で仮想通貨による決済を行ったり、給料を仮想通貨で受け取ったりするサービスが広く普及するようになっています。

オーストラリア

オーストラリアでは、ビットコインなどの仮想通貨と円などの法定通貨とほぼ区別しないという姿勢を見せています。当初は仮想通貨の取引を行う際には消費税が発生していましたが、実際のお金とほぼ同様に扱われるようになったため、現在は消費税の課税が無くなっています。

カナダ

カナダでは、ビットコインに対して前向きな姿勢を見せており、カフェやコンビニ、ガソリンスタンドなどにビットコインを使うことができるATMの設置が行われています。

仮想通貨の規制の今後は?各国の法整備と国際規制

仮想通貨の規制を行うと明確に立場を表明する国が相次いでいましたが、全面的に規制しているというよりはまだ仮想通貨を取り巻く環境整備や法整備が進んでいない状況に対して、一時的に規制を行うことによって、環境整備や法整備を行う時間を確保していると言えるでしょう。

国民の大半が銀行口座を持たない国では、自分の資産を安全に管理するという目的で仮想通貨が普及することを求める国民が多いだけでなく、ブロックチェーンの技術や仮想通貨の利便性に対して注目している国も多いため、規制はそう長く続かないと考えられます。

日本のように環境整備や法整備が進んだ場合には、マネーロンダリングやハッキングなどの仮想通貨に対する不安要素が減少するため、規制を解除する国も増えるようになるでしょう。

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