ICOとは仮想通貨を用いた資金調達の方法!仕組みやメリットを解説

  • ICOとは仮想通貨を発行して資金調達を行うこと
  • 理論上はICOで利益を上げることも可能
  • 実際には詐欺に遭う可能性もある

すでに数多くのICOが実施されており、多額の資金を集めている企業や団体もあります。

Filecoin(ファイルコイン)という案件では約287億円、Tezos(テゾス)という案件では約262億円が調達されました。

この記事では、ICOの仕組みやメリット、注意点などを見ていきましょう。

仮想通貨とトークンの違いとは?トークンは「商品券」のようなもの

ICO(Initial Coin Offering)とは、新しいサービスを提供・開発したい企業や団体が、独自の仮想通貨を発行・販売して資金調達を行うことです。「クラウドセール」という呼び方もあります。

ただしICOで発行される仮想通貨は、「トークン」と呼ばれるもの。

仮想通貨の取引所で取引されているビットコインやアルトコインとは異なります。

トークンはICOを理解するとき重要なので、最初にほかの仮想通貨との違いを見ていきましょう。

トークンとその他の仮想通貨って何が違うの?
ビットコインやアルトコインの取引は相手が誰であっても可能だが、トークンは違う。トークンは、日本の資金決済法で定義された仮想通貨とは異なり、発行者と購入者だけが取引できるんだ。
仮想通貨は「現金」、トークンは発行された店でしか使えない「商品券」と考えればわかりやすいです。

商品券は発行されたお店でしか使うことはできません。しかしそのお店を利用したい人にとっては価値があるものですよね。

トークンはビットコインのように決済手段として使えない代わりに、将来ICO実施者により提供予定のサービスで使用可能です。

またトークンは仮想通貨取引所で取引が行われると価格が変動し、売却による利益を得ることもできます。トークンを売却して利益を獲得できるのは、ICOの大きな特徴です。

ICOの仕組みを解説!トークンを発行して資金調達を行なう

この項目ではICOの仕組みについて説明します。ICOの基本的な仕組みは、次のように表わされます。

  1. 新しいサービスを提供・開発したい企業や団体がトークンを発行
  2. 購入者が仮想通貨でトークンを購入し、トークン発行者は受け取った仮想通貨を取引所へ売却
  3. トークンが仮想通貨取引所に上場されると、売買が可能になる

より深く理解するために各項目を見ていきましょう。

1、新しいサービスを提供するためにICOが実施される!

ICOは企業や団体、個人がトークンを発行することで始まります。トークンを発行して、新しいサービスを提供・開発するための資金を集めるのです。

新しいサービスとしては、次のようなものがあります。

  • 仮想通貨のスマートコントラクトに関わるサービス
  • ブロックチェーンを用いたエネルギー供給のサービス
  • 人工知能とブロックチェーン技術を組み合わせたレストラン推奨サービス

このようなサービス以外にも教育、通信、スポーツなどさまざまな分野でのサービスがあるんです。

そして「将来提供されるサービスを利用したい」と考える利用者が、トークンを購入します。

発行されたトークンは、提供されるサービスの中で利用できる。用途はさまざまで、サービスを利用する際の決済手段として使えたり、割引券として機能したりするのだ。

2、サービスを支持する人がトークンを仮想通貨で購入!

トークンの購入は、「ビットコイン」や「イーサリアム」などの仮想通貨で行われます。

トークン発行者は受け取った仮想通貨を、取引所で売却。法定通貨に交換して、サービス提供・開発の資金に充てるのです。

どうしてトークンの売買には仮想通貨を使うのですか?
世界各地から資金を集められるからだ。仮想通貨取引においてはブロックチェーンという技術を用いることで、世界各地の利用者と直接つながることができる。しかも銀行のような仲介業者がいないので、資金調達のコストも安くなるんだ。

支援者はサービスの内容に期待が持てれば、トークンを購入してサービスをサポートします。自分がいいと思ったサービスを支援する仕組みは、クラウドファンディング※と似ていますね。

クラウドファンディングとは

あるアイディアやプロジェクトを実現するために、インターネット経由で人々から資金を調達すること。資金提供者には、お礼として特典が与えられることもあります。

ただクラウドファンディングと違うのは、実現したサービスが人気になれば、トークンの価格も上がるということです。

トークンが仮想通貨取引所に上場すると、価格が変動します。発行当初のトークンを安い値段で買い、値上がり後の売却を狙う投資家もトークンを購入するのです。

トークンの価格上昇について見ていきましょう。

3、トークンの価格が上昇して取引所に上場すれば売買可能

ICOが成功し、トークン発行者が提供するサービスの価値が上がれば、そのサービス内で利用できるトークンの価値も上がります。

トークンが仮想通貨取引所へ上場すると、売買が可能となるのです。

上場後にトークンの価格が確実に上がる、という保障はありません。ただし価格が上がれば、キャピタルゲイン※を獲得できます。

キャピタルゲインとは

保有している資産を売却することによって、得られる利益のことです。

たとえば購入時に7万円だった株式を、価格が10万円になったときに売却すれば、3万円(手数料等除く)がキャピタルゲインとなります。

なるほど。トークンの値上がりを狙って、多額の資金が集まったんですね。
うむ。提供したサービスの価値が上がれば、トークンの価格も上がるからな。トークンは株式にも似ている。株式を発行する企業に期待が集まると、株価が上昇することも多いからな。

ICOは、株式を使って資金調達をするIPO※と似ています。

IPO(Initial Public Offering)とは

未上場だった企業が、証券取引所に新しく株式を上場させて資金調達を行うこと。日本語では新規公開株とも呼ばれます。

しかしICOにしかないメリットもあります。ICOのメリットについて、次の項目で見ていきましょう。

ICOでの資金調達をする側と投資する側のメリットを紹介!

ICOには資金を調達する側、投資する側それぞれにメリットがあります。

ICOによる資金調達と投資のメリット
資金調達側 ・審査不要のため、個人やベンチャー企業でも実施可能
・ホワイトペーパーの作成が任意
投資側 ・購入したトークンをサービス内で利用できる
・トークンの値上がりによるキャピタルゲインを狙える
・少額でトークンを購入できる
個人やベンチャー企業にとって、審査なしで資金調達ができるのは大きな特徴だ。まずは資金を調達する側のメリットを見ていこう。

ICOは審査が不要!個人やベンチャー企業でも実施可能

ICOで資金調達を行うメリットは、IPOと異なり審査が不要のため、どんな企業・団体・個人でも実施可能だということです。

企業がIPOを実施するには証券取引所の厳格な審査を受け、上場基準を満たすことが必要です。

この基準は、一定以上の規模がある企業でないと満たすことができません。たとえば市場第二部上場の場合、株主数は800人以上、株式時価総額は10億円以上などです。

しかしICOで資金調達をする場合、厳格な審査や満たすべき基準はありません。

そのため個人やベンチャー企業でも、ICOを行うことが可能です。

トークンを少額で購入できることがメリット!世界のICOに投資可能

ICOは実施する側だけでなく、投資する側にもメリットがあります。トークンの購入者は将来提供されるサービスを利用できますし、トークンの値上がりによるキャピタルゲインも狙えるのです。

またトークンは少額で購入できます。

たとえば日本発のICO案件で、109億円を調達したCOMSA(コムサ)では、1CMS(コムサ)=1USD(米ドル)。当時のレートで換算すると、100円前後から購入可能でした。

仮想通貨を利用すれば、世界各地のICO案件に少額で投資できるのも魅力です。

ICOでの資金調達と投資の注意点!詐欺に遭う可能性もある

ICOにはメリットがありましたが、注意すべき点もあります。

ICOによる資金調達と投資の注意
資金調達側 ・トークン購入者の支持を得る必要がある
投資側 ・詐欺に遭う可能性がある
・値上がりするトークンの見極めが難しい

次の項目から、ICOの注意点を見ていきましょう。

失敗する案件も!サービスが支持されないとICOは成功しない

ICOは個人やベンチャー企業でも実施できる資金調達手段ですが、すべてのICO案件が成功するわけではありません。

ICO実施者が提供予定のサービスが魅力的でなければ、誰もトークンを購入しないため、資金も集まらないのです。

ICO実施者はホワイトペーパーを詳細に作成したり、SNSで情報発信をしたりして、トークンの購入者の支持を獲得する必要があります。

投資金額が戻らない可能性もある!ICOへの投資は自己責任で

ICOへ投資するときにも、注意点はあります。

それは、集めた資金の持ち逃げや、サービスの開発が難航し途中で中止になる可能性。

仮に投資した資金を持ち逃げされたり、サービスの開発が中止になっても、それを取り返すための法的ルールはない。そのためICOへの投資は、あくまで自己責任で行う必要がある。

ICOには審査がないため、どんな企業・団体・個人であっても実施できます。

しかし審査がないということは、信頼のない人物がトークンを発行している可能性もあるということ。

ICOの実施者は「ホワイトペーパー」と呼ばれる文章を作成し、ICOを行う目的や調達額などを示します。ただし「ホワイトペーパー」の作成は義務付けられておらず、書き方のルールなどもありません。
ホワイトペーパーはネット上で公開されるが、どこかに提出して、審査を受ける必要もないぞ。

仮にホワイトペーパーを作成したとしても、その内容を必ず実施しなければならないという義務もありません。

そのため、集めた資金を持ち逃げされる可能性があるのです。

資金の持ち逃げはされなかったとしても、ホワイトペーパーで計画されたサービスが確実に提供されるとも限りません。サービスの開発が難航し、途中で中止になる可能性もあります。

ICOに投資をする場合は、このようなリスクがあることも考慮すべきです。

ICOでの利益獲得は難しい!ホワイトペーパーは英語で書かれている

詐欺でないICO案件でも、投資で利益を上げるのは難しいです。なぜなら将来的に価格が上がるトークンを見つけることが難しいからです。

株式の場合、発行企業はすでに事業を行っているため、事業内容を見て購入する株式を決めることができます。

しかしICOの場合、トークンを購入する段階ではまだサービスが提供されていません。

トークンの購入者はサービスの価値が将来的に上がるかどうかを、実施前に判断しなければならないのです。

サービスの価値が将来的に上がれば、トークンの価格も上がるんですね。だけど肝心のサービス自体がまだ提供されていないから、価格が上がるトークンを探すのも難しいということですか?
そうだ。それにICOへの投資を判断するには、英語で書かれたホワイトペーパーを読まなければならない。

「Google翻訳」や「Doctranslator」といった翻訳ツールを使えば、ホワイトペーパーを日本語に訳すことが可能です。しかしその文章が、正確な日本語に翻訳されるとは限りません。

またホワイトペーパーはページ数が長く、ICOの案件自体も数が多いため、将来成長する案件を見つけることは非常に難易度が高いです。

ICOのルールは未整備!リスクも高いため少額から投資しよう

ICOの仕組みとメリット、注意すべき点について解説しました。ICOはIPOやクラウドファンディングとも異なる資金調達方法で、実際に多額の資金が調達されています。

ただしICOへ投資を行なう場合は、次の3点に注意しましょう。

  • 英語で書かれたホワイトペーパーを読まなければいけない
  • 詐欺の案件を見分けなければいけない
  • 成長する案件を見極めなければいけない

ICO投資は、ビットコインなどへの投資と比べ、利益を上げるのが難しい傾向にあります。

ICOへ投資する場合は少額から始めるなど、リスク回避を考えたうえで行ないましょう。

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