モバイルウォレットの仕組みとメリット・デメリットを解説
- モバイルウォレットは、スマホやタブレットで仮想通貨を管理する
- 「お店での支払い」や「バックアップ」が可能
- 端末や復元フレーズの紛失には要注意
「ビックカメラ」や「メガネスーパー」など、ビットコインが支払いに使用できるお店もありますよね。
実際にお店でビットコインによる決済をするには、「モバイルウォレット」が必要です。
モバイルウォレットはスマホやタブレットのアプリ。「App Store」や「Google Play」では、たくさんのモバイルウォレットが提供されています。
モバイルウォレットはほかにも、「外出先で仮想通貨の売買ができる」「バックアップが取れる」など、利便性と安全性を兼ね備えているんです。
ただしモバイルウォレットには、「ハッキング」や「復元フレーズの紛失」など注意すべき点もあります。
場合によっては、モバイルウォレットに入れた仮想通貨を喪失してしまう危険性も。
ここではモバイルウォレットの仕組み、メリット、デメリット、モバイルウォレットを選ぶ際の基準について詳しく解説します。
モバイルウォレットは秘密鍵をオフラインで管理するもの
モバイルウォレットはアプリなので、スマホやタブレットなどの端末にダウンロードして使用します。
「Bread(ブレッド)」や「Copay(コペイ)」といったアプリがあり、無料で利用可能です。
モバイルウォレットを使えば、端末上で仮想通貨の送金・受金・残高確認などを行うことができます。
モバイルウォレットは仮想通貨の送金に必要な「秘密鍵※」をオフラインで管理しているものです。
英数字の組み合わせで表される文字列のこと。これを他人に知られると、仮想通貨が不正に利用されてしまいます。
モバイルウォレットは、仮想通貨そのものを管理しているわけではありません。
モバイルウォレットのメリットは3つ!外出先で決済・取引も可能
モバイルウォレットは、スマホやタブレットにダウンロードして使います。そのため、ほかのウォレットにはないメリットがあるんです。
モバイルウォレットのメリットは、次の3つ。
それぞれのメリットについて、詳しくみていきましょう。
モバイルウォレットのメリット1、外出先で決済が可能
仮想通貨での支払いに対応した店舗であれば、モバイルウォレットを使って買い物が可能です。お店側が提示したQRコードをモバイルウォレットで読み込むことで、簡単に支払いができます。
仮想通貨の支払いに対応する店舗はまだ少ないので、事前に利用可能な店舗を調べておきましょう。
モバイルウォレットのメリット2、復元フレーズによるバックアップ
モバイルウォレットはバックアップを取ることができます。
そのため、もしスマホなどの端末が故障しても、ウォレットの中身が復元可能。
ウォレットの復元には、復元フレーズを使います。復元フレーズとは、モバイルウォレットの初期設定時に表示される英単語(12個のものが多い)のことです。
スマホが故障・紛失した場合は、次の手順でウォレットの復元が可能。
- 別のスマホで再度アプリをダウンロードする
- 復元フレーズを入力する
- ハッキングやウイルス感染の恐れがある
- 復元フレーズを忘れると、バックアップができない
- 1、セキュリティ機能
- 2、ウォレットが対応する仮想通貨
- 3、アプリの使いやすさ
モバイルウォレットのメリット3、取引所破綻による被害を軽減可能
モバイルウォレットは、秘密鍵を自分の端末で管理します。
仮想通貨取引所や「ウェブウォレット※」を使う場合、秘密鍵の管理を自分で行っていません。
インターネット上で秘密鍵を管理するものです。サイトに登録するだけで使用できますが、秘密鍵の管理はサイト運営者が行います。
そのため、取引所の破綻やウェブサイトのサービス停止などによって、仮想通貨が利用できなくなる可能性があります。
モバイルウォレットの場合、自分の仮想通貨をすべて自分で管理するので、もし取引所が破綻しても影響を受ける可能性が低いです。
仮想通貨取引所の破綻リスクなどが気になる人は、モバイルウォレットに仮想通貨を移しておくのもいいでしょう。
ハッキングと復元フレーズ紛失がモバイルウォレットのデメリット
ここまでモバイルウォレットのメリットを解説してきましたが、モバイルウォレットにはデメリットもあります。
モバイルウォレットのデメリットは次の2つです。
それぞれ詳しくみていきましょう。
インターネット環境では、ハッキングやウイルス感染の危険がある
スマホやタブレットは、インターネットに接続して使用しますよね。インターネットにつなぐ行為には、必ずハッキングやウイルス感染のリスクがつきまとうのです。
公衆のWi-Fiスポットの中には、個人情報を盗むために悪意をもって設置されているものも。そのような接続先にアクセスしてしまうと、スマホやタブレットが乗っ取られる可能性もあります。
「bread(ブレッド)」や「Copay(コペイ)」といったモバイルウォレットは、秘密鍵をオンラインではなく、端末で保管しています。
しかしその端末がインターネットに接続されている以上、必ずしもハッキングやウイルス感染のリスクがないと言い切ることはできません。
復元フレーズを失くすと、仮想通貨は戻ってこない!
モバイルウォレットは復元フレーズを失くすと、スマホやタブレットの盗難や紛失の際、ウォレットの中身を復元できません。
モバイルウォレットでは、復元フレーズが唯一のバックアップ手段なのです。
また復元フレーズは他の人に知られてもいけません。
あなたのモバイルウォレットの復元フレーズを知った誰かが、別の端末であなたのウォレットを復元できてしまうからです。
復元フレーズは紙にメモを取り、他人に見られないよう金庫に保管するなど、徹底した管理が必要でしょう。
次の章で、モバイルウォレットを選ぶとき、基準となるポイントについて見ていくぞ。
モバイルウォレットを選ぶ際の3つの基準
モバイルウォレットは、アプリの種類がたくさんあるので、どれを使うべきか迷いますよね。何を基準にしてモバイルウォレットを選ぶかは、人によって異なるでしょう。
ここではモバイルウォレットを選ぶ基準を3つ紹介します。
次の項目から、それぞれの基準について説明するので、モバイルウォレットを選ぶ際は参考にしてください。
モバイルウォレットを選ぶ基準その1、セキュリティ機能
モバイルウォレットのセキュリティに関しては、秘密鍵の管理を自分で行うか、第3者が行うかという違いがあります。モバイルウォレットごとの秘密鍵の管理方法は次のとおりです。
bread(ブレッド) | 自分の端末で管理 |
---|---|
Copay(コペイ) | 自分の端末で管理 |
Blockchain(ブロックチェーン) | サイト運営者が管理 |
仮想通貨取引所のウォレット | 取引所が管理 |
仮想通貨取引所は破綻リスクなどもあるため、セキュリティを重視する人は、秘密鍵を端末保管するタイプのモバイルウォレットを選びましょう。
モバイルウォレットを選ぶ基準その2、ウォレットが対応する仮想通貨
各モバイルウォレットが対応する仮想通貨も重要です。主なモバイルウォレットとそれに対応する仮想通貨は次のとおり。
モバイルウォレット | 対応する仮想通貨 |
---|---|
bread(ブレッド) | ・ビットコイン(BTC) ・ビットコインキャッシュ(BCH) |
Copay(コペイ) | ・ビットコイン(BTC) |
Blockchain(ブロックチェーン) | ・ビットコイン(BTC) ・イーサリアム(ETH) |
Coinomi(コイノミ) | ・ビットコイン(BTC) ・ビットコインキャッシュ(BCH) ・イーサリアム(ETH) ・ライトコイン(LTC) ・モナコイン(MONA) ・その他130種類以上 |
アルトコインに対応したモバイルウォレットは少ないため、「自分が保有している仮想通貨に対応しているかどうか」を事前に確認しましょう。
モバイルウォレットを選ぶ基準その3、アプリの使いやすさ
アプリ自体の使いやすさも、モバイルウォレットを選ぶ基準のひとつ。「bread(ブレッド)」・「Copay(コペイ)」・「Blockchain(ブロックチェーン)」を例に比較紹介します。
モバイルウォレット | PINコードの入力 | 残高確認 |
---|---|---|
bread(ブレッド) | アプリを起動するたびに必要 | オフラインで可能 |
Copay(コペイ) | 不要 | オフラインで可能 |
Blockchain(ブロックチェーン) | 不要 | インターネット接続が必要 |
モバイルウォレットのダウンロードは無料。
実際に使いながら、自分に合ったモバイルウォレットを見つけてください。
モバイルウォレットへの預け過ぎは危険!復元フレーズは厳重な管理を
モバイルウォレットは外出先でも使えるなど利便性が高く、また取引所の破綻による影響を受けにくいというメリットがありましたね。
しかし、モバイルウォレットに仮想通貨を預けすぎるのは危険です。
スマホやタブレットはインターネットに接続すれば、ハッキングの可能性があります。さらに復元フレーズを忘れると、バックアップも取れなくなるのです。
復元フレーズは忘れないようにメモを取り、盗難に備えて金庫に保管するなど、厳重に管理してください。
仮想通貨は、モバイルウォレット以外にもいくつかのウォレットを活用し、分散して保管すると良いです。