GMOコインで必要になる手数料やスプレッドを詳しく解説
GMOコインは2016年10月に設立と、仮想通貨取引所の中でも歴史が浅い部類に入ります。
しかし、母体となっているのが、傘下にFX大手のGMOクリック証券をもつ大手のGMOインターネット株式会社であったことから、仮想通貨の利用者からの期待度は非常に高く、サービス開始当初から注目が集まっていました。
GMOコインの特徴は「仮想通貨販売所であること」と、「仮想通貨FXの取扱いがあること」だといわれています。
その他、手数料なども含め、他の仮想通貨取引所とはどんな違いや特色があるのかを詳しくチェックしていきます。
GMOコインは仮想通貨の販売所
まず、最初に知っておいていただきたいのが、GMOコインは仮想通貨の取引所ではなく、販売所という点です。
取引所(ここではGMOコイン)自身が保有している仮想通貨を、利用者相手に売却及び買い取りを行うのが販売所だ。
一方で仮想通貨を売りたい人と買いたい人をマッチングさせるのが取引所だぞ。
他の仮想通貨取引所では、両方の業務を行っているところもありますが、GMOコインは販売業務のみを行っています。
一般的に、価格面では取引所の方が売却時は高く、購入時は安いというメリットがありますが、あくまで仲介役なので、必ずしも希望の値段、量で取引できるわけではありません。
例えば、ビットコインの価格が高騰しているときは、購入しようとする人が増え、売ろうとする人が減ります。
このため、なかなか思ったように取引が成立しない、ということもあります。
その点、販売所であれば、確実に自分が欲しい量を表示された価格で購入できるので、仮想通貨取引を行う場合には、両者をうまく使い分けることが大事です。
販売所を比較するときにはスプレッドに注目!
販売所で仮想通貨を売買するときに、まずチェックしておきたいのはスプレッドです。
スプレッドとは、簡単に言えば、販売所での売値と買値の差額です。
販売所でビットコイン1BTCの売値が700,000円、買値が670,000円であれば差額の30,000円がスプレッドになります。
当然、スプレッドの幅が広くなればなるほど、販売所は利用者から仮想通貨を安く買って高く販売していることになります。
反対に、スプレッドの幅が狭くなれば、今度は販売所側がサービスをしているということになり、利用者のメリットが大きくなります。
GMOコインのスプレッドは、2017年5月の業務開始当初は3,000円で据え置かれていましたが、ビットコインの高騰を受けて5,000円に改定が行われました。
それが、2018年2月10日現在のデータを見ると、「売却価格価格(円) 900,000円」、「購入価格(円) 920,000円」と、スプレッドが20,000円に広がっています。
2017年末には、スプレッドが一時70,000円台に突入していたこともありました。
GMOコインでは、これまで低いスプレッドを売りにしていましたが、昨年末のビットコイン価格の大高騰を受け、方針を変更した模様です。
いずれにせよ、こういったスプレッドの変更は、特にアナウンスなしに行われることから、ビットコイン取引では、最新のスプレッドがいくらなのかを常に意識することが大事でしょう。
では、GMOコインのスプレッドが他の取引所と比較して高いのか安いのか、次項で見ていくことにします。
GMOコインのスプレッドをビットフライヤー、ザイフと比較!
それでは、GMOコインのスプレッドを他の仮想通貨取引所と比較してみましょう。
今回は、仮想通貨取引所の中でも代表的な存在である、Zaif(ザイフ)とbitFlyer(ビットフライヤー)を比較対象として取り上げます。
まず、最も気になるスプレッドですが、GMOコインについては、先ほど見てきた通り、2月10日の時点では20,000円となっています。
ほぼ同時期のデータで見ると、ビットフライヤーでは販売所購入価格が990,513円、売却額が852,340円となっているので、差額は138,173円となります。
ザイフの同時期のデータを見ると、販売所購入価格が96,281円、売却価格が912,491円となっているので、差額は50,320円です。
販売所のスプレッドについては、GMOコインが圧倒的に安いことがわかります。
ザイフとビットフライヤーは割合でスプレッドが決まることから、ビットコインが高騰すればするほどスプレッド大きくなるので、固定のGMOコインとの差額が開いていくことになります。
特にビットフライヤーのスプレッドは正直高く、特にアービトラージ取引を行うと考えているなら、利益を出すのはなかなか難しいのではないでしょうか。
ただし、これはあくまでも販売所の枠内での話です。
取引所を利用する場合、ビットフライヤーを例にとると手数料は0.01%から0.15%に設定されています。
販売での購入に比べると手軽さ、操作方法の分かりやすさという点では劣りますが、価格を重視するのであれば、販売所よりも取引所を利用した方が圧倒的に有利です。
販売所と取引成両方の取り扱いがある仮想通貨取引所のウェブサイト上では、「販売所は手数料無料、取引場は手数料0.01%~0.15%」などと表示している例も見受けられます。
あたかも、販売所の方は手数料がかからないので、取引所よりもお得なように思えてしまうのですが、スプレッドを考えるとそうでは無い事は理解しておいた方が良いでしょう。
ビットコインとアルトコインの手数料は異なる
GMOコインでは、ビットコイン以外の仮想通貨、いわゆるアルトコインを取り扱っています。
GMOコインで取り扱っている銘柄は、2018年2月現在、イーサリアム (ETH)、ライトコイン(LTC)、ビットコインキャッシュ(BCH)及びリップル(XRP)の4種類となっています。
ビットコインとアルトコインではスプレッドのレートも異なっています。
スプレッドが一律で何%と決められていないのがネックですが、GMOコインのアプリでは販売所購入価格と購入価格が並べて表示されているので、スプレッドが一目でわかるようになっているので、常に最新の情報をチェックしておきましょう。
GMOコインはリップルのスプレッドが低い?
GMOコインはリップルのスプレッドが狭いので有利、という評判がありました。
これは、GMOコインが2017年にリップルの取り扱いを開始した時に、スプレッドをなんと一律で0.3円にするキャンペーンを行ったことの影響でしょう。
しかし、このキャンペーンはビットコインを含む仮想通貨全体が高騰した時期と重なり、一時期はGMOコインがリップルの購入に中止するほど反響が大きすぎたこともあり、予定を前倒しにして終了しています。
しかも、キャンペーン終了後には、スプレッドがそれまでの10倍以上となる5円にまで拡大しています。
現在は、リップルを扱う仮想通貨取引事業者も増え、QUONIXやビットバンクなど、より低いスプレッドを提示する事業者もいることから、GMOコインが際立ってスプレッドが低い、とはいえない状況になっています。
GMOコインは各種手数料が安い!
日本円の入出金ですが、出金は無料、即時入金に関して楽天銀行、住信SBIネット銀行、ペイジー利用でいずれも無料となっています。
最低入金額が1000円/1回という制限はありますが、それでもありがたいですね。
ザイフはペイジーによる即時入金が可能ですが、486円の手数料がかかります。また、コンビニ決済及び銀行振込のいずれも自己負担です。
出金に関しても、50万円未満は350円、50万円以上は756円かかります。
ビットフライヤーでも、ペイジーを利用した即時入金には324円の手数料がかかり、銀行振込する場合の振込手数料は自己負担となっています。
出金については、3万円未満で216円~540円(税込み)、3万円以上では432円~756円(税込み)となっています。
一回一回の手数料はたいしたことがない金額であっても、何回も取引を行っているうちに意外に無視できない金額になります。
ひんぱんに取引を行う方であれば、各種取引手数料がほぼ無料のGMOコインは非常にありがたい存在なのではないでしょうか。
特に即時入金が無料なのは他社にないメリットですね。
なお、GMOコインでの口座開設に費用は一切かかりません。
また、その後で口座を維持するのにも、現在のところ特別に費用は不要とのことなので、興味があれば、まずはお試しで開設してみてもよいのではないでしょうか。
GMOコインの強みは仮想通貨を使ったFX!
GMOコインは、インターネット大手のGMOインターネットグループに所属するGMOコイン株式会社が運営しています。
GMOコインが自社の強みとして挙げているのが、仮想通貨FXです。
仮想通貨FXとは、仮想通貨を使った証拠金取引のことで、手元資金の数倍の取引を行うことが可能になるものです。
ハイリスクではありますが、ハイリターンも狙えるのが最大の特徴です。
現在、日本で仮想通貨取引所のメインプレーヤーといわれるザイフやビットフライヤーに比べて、GMOコインは証券市場やFX(外国為替証拠金取引)といった金融商品に関するノウハウでは一歩先んじている印象があります。
特にFXについては、グループ会社のGMOクリック証券が5年連続でFX年間取引高世界一を達成しています。
もちろん、為替と仮想通貨のFXでは異なる点もありますが、それでもノウハウの蓄積という点に関しては、他の仮想通貨取引所の追随を許さないでしょう。
現在、GMOコインが取り扱っている仮想通貨FXはビットコインのみとなっていますが、アルトコインのFXも今後実施される可能性が高いようです。
なお、仮想通貨FXで注意しなければならないのは、実際に買い注文を行っても、仮想通貨の現物を購入したわけではないということです。
よって、その金額を自分のウォレットに送金することはできない点を理解しておきましょう。
仮想通貨FXの最大の特徴、レバレッジ
仮想通貨FXの最大の特徴がレバレッジをかけられる点です。
レバレッジとは、もともと「てこ」という意味で、レバレッジが2倍ならば、元手の2倍の金額での取引が可能になります。
元手が10万円でレバレッジが5倍だと、50万円分の取引ができることになるので、ビットコイン価格が1.2倍になった場合、ビットコインの現物取引をしていたら利益は2万円ですが、レバレッジが5倍だと利益も5倍の10万円になるのです。
GMOコインのレバレッジですが、以前は5倍、15倍、そして最大で25倍まで可能なので、元手が40万円あれば1,000万円分の取引まで行えました。
しかし、最近のビットコイン価格の乱高下を受け、2018年4月25日以降は、レバレッジは5倍・10倍のいずれかに。
レバレッジ取引によって、損失が拡大しないように、損失額が用意していた証拠金以下になると、ロストカットといって自動的に取引が終了してしまうという安全装置が働きます。
ただし、もともと価格の上下動が激しい仮想通貨は外貨のFXよりもさらにリスキーな取引であることは事実です。
あまりのめりこまず、余裕資金を使って、少額で仕組みを学ぶためにやってみる、といった程度のスタンスでトライするのが望ましいのではないでしょうか。
GMOコインのレバレッジ手数料は?
仮想通貨FXについては、取引にかかる手数料そのものは無料ですが、レバレッジ手数料が必要になってきます。
これは買い注文をして、それを1日そのままにしておいた時にかかる手数料です。
GMOコインは1日あたり0.04%となっているので、もしビットコイン1万円分の買い注文をたてて、翌日までそのままにしていると、レバレッジ手数料として4円を支払う必要があります。
ここで注意が必要なのは買い注文をたててから24時間後にレバレッジ手数料が発生するわけではない点です。
正確には、ニューヨーク市場が1日の取引を終了する時間(日本時間で午前7時、サマータイムの時は午前6時)をこえるとレバレッジ手数料が発生します。
1万円で5円ならばたいしたことはないように思えますが、それが毎日加算されていくことになるので注意が必要です。
今後のサービス拡大に期待したいGMOコイン
GMOコインは、仮想通貨の現物取引については、販売所形式をとっていることから、取引所に比べて、価格面で不利な点があることは否めません。
アプリのわかりやすさなど、現状の強みを活かした上で取り扱くアルトコインの種類を増やす、取引所利用の設定など、サービスの拡大に期待したいところです。
仮想通貨FXについては強みがありますが、現在の乱高下が続く仮想通貨市場の中ではややリスクが大きいことから、外為でFXの取引経験がない方にはおすすめしづらい、というのが正直なところです。
いずれにしても、GMOコインに対する仮想通貨市場参加者の期待は、依然とした高いので、この期待に応えられるようなサービスの拡充が求められているのではないでしょうか。