イーサリアムといえば、ビットコインに次いで時価総額が高く、全アルトコインの中でもっとも価値の高い仮想通貨です。
もし将来、ビットコインに代わる仮想通貨があるとすれば、その筆頭となる仮想通貨は間違いなくイーサリアムでしょう。
イーサリアムにはスマートコントラクトなどの、ビットコインにはない機能があります。プラットフォームとしても使いやすく、今後の展開次第ではビットコインの時価総額を上回るかもしれません。
そんな将来が有望なイーサリアムですが、仮想通貨の中にはイーサリアムに匹敵するだけの将来性を秘めているアルトコインが存在します。それがイーサリアムクラシックです。
イーサリアムクラシックは、イーサリアムからハードフォークした仮想通貨です。
そのため、イーサリアムとイーサリアムクラシックの特徴は非常によく似ています。投資家の中には、今後イーサリアムクラシックはイーサリアムを追い抜くだろうと考える人もいます。
今回はイーサリアムクラシックの特徴と今後の展望について解説します。
イーサリアムクラシックの将来性
イーサリアムクラシックは将来性のある仮想通貨です。その根拠の一つとして、過去の価格の動きがあります。
イーサリアムクラシックは2018年5月時点において、1000円代から2000円代を推移しています。
ちょうど一年前の2017年5月時点におけるイーサリアムクラシックの価格というと、1000円未満でした。それが、一年経過することで倍以上になっているわけですから、イーサリアムクラシックは今後の成長が期待できる仮想通貨だと判断できます。
2017年12月の仮想通貨ブームがピークに達した際には、イーサリアムクラシックは高値を更新し、4500円以上まで価格が高騰しました。
2017年5月の1000円未満の時にイーサリアムクラシックを購入した人が、2017年12月の4000円代の時にイーサリアムクラシックを売却していたら、資産を4倍以上にすることができたでしょう。
2017年の価格の動きを見るだけでも、イーサリアムクラシックがいかに成長を期待できる仮想通貨であるかがよくわかります。
イーサリアムクラシックの特徴と来歴
イーサリアムクラシックは2016年7月20日に公開された仮想通貨で、通貨単位はETCです。
コンセンサスアルゴリズムはPoWで、発行上限は2億1000万枚とされています。さらに、イーサリアムと違って減少期が存在します。
2018年5月時点における時価総額は1712億円以上で、時価総額ランキングではトップ20位圏内を陣取っています。
もともとはイーサリアム同様に発行上限がない仮想通貨でした。しかし、2017年12月12日にハードフォークしたことをキッカケに発行上限が設定されました。同時に、減少期も追加されました。
イーサリアムクラシックは、DAO事件と呼ばれるイーサリアムのハッキング事件をキッカケに誕生した仮想通貨です。
当時、約50億円分のイーサリアムがハッキングの被害に遭い、盗まれたのですが、この盗難に対してブロックチェーンを事件前へと巻き戻すことで、被害を無かったことにしようという提案がなされました。
一見するとこれは盗難に対して非常に効果的な対処法なのですが、この提案に対して一部のコミュニティが反発しました。
確かにブロックチェーンを戻すという行為は、盗難に対して効果的な対策です。しかし、その一方でイーサリアムの中央集権化を招くということで反発がありました。
この反発した一部のコミュニティがキッカケとなり、イーサリアムは分裂、イーサリアムクラシックが誕生しました。
このような経緯もあってか、イーサリアムクラシックはイーサリアムと比べ、非中央集権的だという特徴があります。イーサリアムクラシックの場合、システム上の問題が発生しない限り、ハードフォークは実施しない方針とのことです。
つまり、イーサリアムクラシックは今後どのような事態に陥ったとしても、投資家などの中央集権的組織からの影響を受けず、中立的な立場で取引されるということです。
イーサリアムクラシックのロードマップ
イーサリアムクラシックは確かにイーサリアムと同じ特徴を備えた仮想通貨です。ただし、イーサリムと違って非中央集権的な仮想通貨ということもあってか、イーサリアムの描くロードマップとイーサリアムクラシックの描くロードマップは対立することが多いです。
例えば、イーサリアムは今後、PoWからPoSへと移行する予定とのことです。それに対し、イーサリアムクラシック側は、PoWこそが非中央集権的だと考えているようで、PoSへ移行する予定はないようです。
さらに、分散型アプリケーションのプラットフォームとしての役割を期待されているイーサリムに対し、イーサリアムクラシックはIoTの分野で活躍することが期待されています。
イーサリアムクラシックが今後、どのような形でIoTに関わっていくかは今のところ不明です。ただ、将来的にはこの分野で大きな成果をあげる可能性が高く、期待されています。
イーサリアムクラシックの問題点とは?
イーサリアムクラシックはイーサリアムから分裂した仮想通貨ということもあり、スマートコントラクトがあるなど、似た特徴を持っています。
それどころか、新たにハードフォークをすることで、発行枚数に上限ができるなど、イーサリアムにはない特徴を追加しているほどです。今後、アップグレードを繰り返していけば、イーサリアムよりも優秀な仮想通貨へと成長するかもしれません。
そんな一見すると将来性を感じさせるイーサリアムクラシックには、果たしてどのような問題点や課題があるのでしょうか?
イーサリアムクラシックの問題点というと、コミュニティの熱狂度が低いという問題があります。
優れた仮想通貨には、それを支えるコミュニティが付いているものです。イーサリアムクラシックにも、この通貨を支えるコミュニティは存在するのですが、その規模は他と比べると小さく、熱狂度も低いです。
イーサリアムクラシックのコミュニティとは、Code is Lawの理念を支持する人達の集団のことであり、かつてDAO事件が起きた際に反発した一部のグループのことでもあります。
現在、イーサリアムクラシックを支えているのはこの一部のグループであり、その規模は大きくありません。イーサリアムのコミュニティと比較すると熱狂度は低く、開発にも積極的ではないです。イーサリアムクラシックにも公式サイトはありますが、ただこれといって目立つマーケティングはしておらず、活動的ではないです。
イーサリアムクラシックはどうしてもイーサリアムと比較されがちな仮想通貨です。確かに通貨としての特徴に関して言えば、両方とも同じような共通点を備えています。
しかし、時価総額や人気、知名度、そしてコミュニティの規模に関して言うと、大きな差があります。この差をどうにかして埋めない限り、イーサリアムクラシックがイーサリアムと並ぶほどの価値を形成できる可能性は低いです。
課題に対する解決策
イーサリアムクラシックが抱えている課題は、解決が難しいです。これが技術的な課題であれば何とか対処できるのですが、コミュニティの熱狂度が低いという課題ともなると、なかなか対処が難しくなります。
この課題を解決するためには、イーサリアムクラシックを開発したいという人材が増えるまで待つしかないでしょう。
イーサリアムクラシックはイーサリアムと比較すると、開発のペースが遅いです。時価総額も、アルトコインとしては高い方ですが、イーサリアムと比べると低いです。
イーサリアムクラシックのコミュニティを活発化させるためには、いかにしてイーサリアムと差別化を図るかが重要となってきます。イーサリアムにはない独自の強みや魅力、優位性を発揮できない限り、イーサリアムクラシックがイーサリアムに追いつくことはできないでしょう。
今後、イーサリアムクラシックはIoTの分野に進出する予定とのことで、これをキッカケにイーサリアムとの差別化を図ることができるでしょう。
時間こそかかるでしょうが、将来的にはイーサリアムにはない価値をイーサリアムクラシックが提供できる日が来るでしょう。
イーサリアムクラシックの今後の予定
イーサリアムクラシックは2018年以降、ハードフォークを数回実施しています。
2018年3月に一度ハードフォークし、その際にはイーサリアムクラシックの保有者に対して仮想通貨のカリストが付与されました。
次にハードフォークがあったのが2018年5月30日で、これをキッカケにディフィカルティ・ボムという機能が除去されました。この機能が除去されることで、マイニングの難易度が下がりました。
このように、イーサリアムクラシックは過去に何度もハードフォークを実施しています。今後もハードフォークを繰り返し、アップデートされていくことでしょう。
ただ、それがいつになるかは、その日が近づくまでわからず、現状のところは未定となっています。
イーサリアムクラシックの将来の価格を予測
従来のイーサリアムクラシックというと、イーサリアムの下位互換的な存在で、注目度もそれほど高くはありませんでした。
イーサリアムが注目を浴びる一方で、イーサリアムクラシックが注目を浴びる機会は少なく、投資には結び付き難かったです。ただ、今後はIoTの分野で活躍するなど、イーサリアムにはない独自の成長が期待されており、展開次第では価格が上昇する可能性が高いです。
では、具体的にどこまでイーサリアムクラシックは値上がりするのでしょう?
イーサリアムクラシックは、2020年までには5万円まで価格が上がるだろうと予測します。
予測の根拠とは?
イーサリアムクラシックが今後も値上がりするだろうと考える根拠として、まずイーサリアムクラシックには発行上限があり、インフレが起こり難いという特徴があります。
イーサリアムクラシックは、もともとはイーサリアム同様に発行上限のない仮想通貨でした。しかし、ハードフォークをすることで上限が設定されました。
上限があるということは、それ以上の量が発行されることがないことを意味します。そのため、インフレが起こり難く、将来的には希少価値が付きやすいです。
さらに、イーサリアムクラシックは今後、IoTの分野での活躍が期待されています。イーサリアムは分散型アプリケーションのプラットフォームとしての道を進むでしょうから、イーサリアムと競合する可能性は今後低いです。
同じ土俵に立った場合、イーサリアムとイーサリアムクラシックは比較されやすく、その度にイーサリアムクラシックはイーサリアムの後塵を拝することになるでしょう。
しかし、違う分野であれば比較対象とならず、競合もしません。イーサリアムさえいなければ、イーサリアムクラシックは比較されることなく、IoTの分野で力を発揮することができるでしょう。
イーサリアムクラシックがイーサリアムにはない独自性を発揮し、差別化を図ることができれば、今までイーサリアムクラシックに目を向けなかった投資家からの注目が集まり、投資が増える可能性が高いです。
そうなれば、いずれはイーサリアムと同じ程度の時価総額を形成することができるでしょう。
2018年5月におけるイーサリアムの価値というと、だいたい6万円から8万円の間を推移しています。
イーサリアムにできたことならば、イーサリアムクラシックにもできるはずです。将来、イーサリアムクラシックの価値が認められ、同程度の時価総額に達することができたら、今のイーサリアムと同じような価格を形成することができるでしょう。
もちろん、これはあくまで予測なため、外れる可能性はあります。ただ、2020年までまだ時間があります。それまでにイーサリアムクラシックが独自性を発揮し、投資家からの注目を浴びれば、今のイーサリアムと同じように5万円以上の価値を形成できることでしょう。
値上がりの要因とイベント
イーサリアムクラシックの価格は、イーサリアムと連動していることが多いです。イーサリアムの価格が上がるとイーサリアムクラシックの価格も上がるといった具合です。
そのため、イーサリアムの価格が上がるようなイベントや出来事があると、それに釣られてイーサリアムクラシックの価格も上がる可能性がとても高いです。
さらに、2017年12月、仮想通貨ブームの後押しもあって、イーサリアムクラシックの価格は4500円まで一時的に高騰しました。
イーサリアムクラシックは確かに主要な仮想通貨と比べると知名度は低いです。しかし、その他大勢のアルトコインと比較すると、知名度は高く、時価総額も高い人気仮想通貨です。
そのため、2017年のような仮想通貨ブームが起こると、それに合わせてイーサリアムクラシックの価格も押し上げられる可能性はとても高いでしょう。
今後、仮想通貨の需要が上がるイベントというと、2020年の東京オリンピックがあります。
世界中の人達が東京に集まるこの時期は、仮想通貨の需要が増しやすいタイミングでもあります。2020年に合わせるように二回目の仮想通貨ブームが湧き起これば、それに釣られてイーサリアムクラシックの価格も上がるかもしれません。
このような外的な要因を除いて、イーサリアムクラシックが独力で価格を上げることはできるのでしょうか?
今までのイーサリアムクラシックは、常にイーサリアムの後塵を拝していました。いくら努力をしても、人気と知名度で優るイーサリアムには勝てなかったのです。
しかし、今後はIoTの分野に進むなど、イーサリアムとは違う路線を進み始めます。IoTで大きな成果を残すことができれば、イーサリアムクラシックに対する評価が上がり、価格も上がることでしょう。
イーサリアムクラシックが今後価格を上げるためには、投資家から評価されるほどのポジティブな実績が必要です。
イーサリアムクラシックの今後
ただ、今までのイーサリアムクラシックは、どうしてもイーサリアムという有名な仮想通貨のせいで存在感を発揮できませんでした。イーサリアムクラシックは確かに優秀な仮想通貨なのですが、イーサリアムと比較すると、これといった特徴がなく、インパクトに欠けていたのです。
しかし、今後はIoTの分野に進出するなど、今までにない展開を見せる予定です。イーサリアムと同じことをしていたのでは、今後とも価値が上がる可能性は低かったです。しかし、違う道を歩むのであれば、イーサリアムと差別化を図ることができるでしょうし、展開次第では今まで以上の値上がりを成し遂げられるかもしれません。
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