COMSAトークンとは?ICOとの関係とZaifでの買い方

2016-17年は「ICO」という、新しい投資のスタイルが流行しはじめた年です。昨年のブロックチェーン業界においては、6月の時点で過去1年のICOでの資金調達総額が、ベンチャーキャピタルにより大幅に上回りました。(2016年の業績を2017年の半年で達成)。

日本においても2017年秋に「コムサ(COMSA)」という新しいICOが発表され、トークンセールが行われて話題となりました。第1段階セールは終了しており、後続のトークンセールは開始されていませんが、今後このCOMSAが日本での事業資金の集め方に影響を与えていくと言われています。

この日本発「コムサ」、いったいどのような仕組みなのでしょう?初心者にもわかりやすいようにまとめてみました。

日本発のICOプラットフォーム、COMSA(コムサ)の概要

COMSA(コムサ)は、簡単に言うと日本発のICOプラットフォームです。日本の大手仮想通貨取引所ZAIF(ザイフ)の運営会社であるテックビューロが主体で企画・運営するもので、日本の企業活動に適合したICOプラットフォームとして機能することを目指しています。

「ICO」とは、「イニシャル・コイン・オファリング」の頭文字です。企業がトークン(Token)という仮想通貨ベースの電子金券を発行し、投資家はそれを仮想通貨で出資して買います。

このトークンは、発行企業の製品やサービスの購入に使え、企業側は集まった仮想通貨を売却することで法定通貨の金銭を得られます。

COMSAは従来型の資金調達方法ではなく、国内企業がICOを利用しやすいようなプラットフォームになるよう、さらに既存ビジネスに仮想通貨を緊密につなげることを理想としています。

コムサは株式ではなく「CMSトークン(Token)」によって実ビジネスへの投資を募るプラットフォームとして、現金ではなくビットコインなどの仮想通貨で購入し、事業主はトークン発行により入手したビットコインを取引所等で売却することでフィアット(法定通貨)を手に入れ、事業に使うことになります。

株式の替わりにトークンを使ってはいるものの、方式はいわゆるIPOに似ていますが、インターネット上で仮想通貨を使ってトークンを買うわけですから、理論上国境に関係なく、世界中どこからでも参加することができます。

企業はホームページ上にホワイトペーパー(目論見書)を開示します。それを読んだ人が、「この事業はうまくいくだろう」と思ったらその企業のトークンを買い、IT関連プロジェクトやスタートアップ企業は資金を集められるのです。

トークンを買った投資家は、相場を確認して交換所で売却することで、値差を利用して利益を出します。

「COMSA」ってなんの略語なの?
いや、「COMSA」は略語ではないぞ!「COMPUTER」のCOMに「鎖(サ)」を付けた造語なんだ。

一般企業にはまだハードルの高いブロックチェーンを導入しやすく

上記のように、容易に資金を調達できるICOが注目されてはいますが、基本のブロックチェーン技術はまだまだ詳しい企業が少なく、ハードルが高く、問題が多い状況です。仮想通貨の価格の波動が大きいこともそのひとつで、会計面では一般企業に受け入れ難いものです。

コムサは、企業がICOで資金を調達するために、既存の資産のトークン化技術や、充実して成熟している仮想通貨取引所の提供、mijinというテックビューロのプライベートブロックチェーン製品を使った内部勘定技術を一括で提供し実業にブロックチェーン技術を導入することを全面的にサポートするとしています。

つまりコムサは、実経済活動と仮想通貨とをCMSトークンでつなぎ、仮想通貨が普及していくことで投資家も起業家も相互に利益を受けられるためのプロジェクトであるといえます。

コムサCMSトークンの購入方法・発行量・価格

コムサトークンは仮想通貨ではなく、投資するためのトークンのため、発行上限がなく、期間中は必要なだけ購入することができますが、割安感のあるトークンセールの時期は限定されており、トークンセール期間外では取引所での購入しか方法がありません。

COMSA Token Sale Dashboard にログインし、ICO一覧ページからトークンセールに参加します。

しかし2018年4月現在は、CMSトークンセールがありませんので、購入するには、取引所「ザイフ」にアカウントを開設することで可能になります。

最初のトークンセールのあと、日本時間で2017年12月4日にテックビューロの運営する仮想通貨取引所「Zaif」でCMSトークンが上場しました。

このCMSトークンは、イーサリアム(ETH)とネム(XEM)それぞれのブロックチェーン上で発行されている関係上、ベースになる仮想通貨の名を取り、Zaifの取引板では「CMS:XEM」と「CMS:ETH」という表記になっています。

NEMにはもともと、ユーザーがオリジナルのトークンを発行できる機能があり、口頭ではこの機能の名前を取った『モザイクトークン』と呼ばれています。

一方イーサリアムにも、そのブロックチェーンにトークンを作る能力があり、口頭ではその規格の名前を取って『ERC20トークン』と呼ばれます。

同じCMSトークンでも名前が異なるんですね!
うむ。コムサは「ネム」と「イーサリアム」の2つの仮想通貨上でそれぞれトークンを作成しているからな。相場にも違いがあるから購入時は要チェックだぞ!

ERC20トークンについては「ERC20とは?トークンとの関係性や対応するウォレットも紹介」で詳しく解説しています。

当初はモザイク(CMS:XEM)の相場は暴騰し、一時ERC20トークンの相場と乖離しましたが、2018年4月現在はどちらも61-65円程度で、大きな差はありません。

今後の相場は分かりませんが、どちらか一方のみが他の取引所にも上場することがあれば、またその価格差が大きく開く可能性もあるでしょう。

最初のCMSトークンセールの際は、当初の規定により1米ドル=1CMSトークンのレートで発行されました。

また、COMSAプラットフォーム上での2号案件以降のICOで、仮想通貨ではなくコムサトークンそのもので支払いを行うことで、5%以上の追加プレミアムボーナスが得られるメリットもあります。

一度トークンを買ったら、あとは価格高騰を期待して長い目で待つしかほかにないとも言えます。

コムサ技術の多くがテックビューロからの提供

COMSAプロジェクトは、2017年10月~11月に初のトークンセールを実施しました。

このICOでは、最終的に時価9000万米ドルを越える資金を集めました。

この期間中、CMSトークンセールの特典として、早期に買えば買うほどボーナスがつくキャンペーンを行っていました。

+14%ボーナス 10/2 14:00 – 10/6 07:59(JST)
+10%ボーナス 10/6 08:00 – 10/11 13:59(JST)
+5%ボーナス 10/11 14:00 – 10/25 13:59(JST)
(公式サイトより)

この1回目の案件は、COMSAそのものへの投資ですので、このトークンセールを実施後、代金の仮想通貨は、COMSA CORE(※1)開発、COMSA HUB(※2)開発の資金として使用されます。

コムサ・ソリューションへの対応としてZaif取引所およびプライベートブロックチェーン製品である「mijin」の機能拡張へのコストとしても使用すると発表されています。

※1:COMSA COREとは

仮想通貨であるビットコイン・NEM・イーサリアムのブロックチェーン間でコムサトークンのレートペッグ(固定)と制御を行うシステムです。3種類の仮想通貨の間で価格をペッグされたトークンに変換、総量がコントロールされます。

※2:COMSA HUBとは

パブリックブロックチェーン上の企業アカウントが持つ資産(アセット)と、プライベートブロックチェーン(テックビューロのmijinを使用)の勘定において、両者残高が齟齬のないように調整するシステムです。

コムサの特徴ですが、ICOトークンセールが終了すると、発行量は購入の約2倍量になるルールがあります。

昨年秋、初のCOMSAトークンセールが終了し、約9700万米ドル分の購入がありました。当初のルールで1USD=1CMSであり、そして総発行数がロックされ、追加の発行が同じ数だけ行われます。

そのうちトークンセール紹介者ボーナスで10%が、テックビューロの経営陣とコムサICO協議会運営陣に40%が、残り50%がテックビューロ社の保有となり、このように売れた分に応じて、関係者にボーナスが発行されます。

ですので、ざっとですが1億9400万CMS発行され、テックビューロは4850万CMSを保有したことになるでしょう。

この方式は、ある意味でテックビューロが利益を得るように見えます。

一方で責任の所在がコムサ運営およびテックビューロ社にあることが明確になり、信用できるICOかつ責任ある投資環境であるとのアピールにもつながっています。

コムサによるICOソリューション

コムサを利用することにより、企業側に大きなメリットがあります。

コムサは企業の発表すべきホワイトペーパーの整備、そしてブロックチェーン導入の計画、日本国内・海外に対するPR、重要なトークンセール等をコムサが請け負い、企業のICO実施をサポートします。

COMSAにおいて発行されるトークンについては、「COMSA CORE」経由で仮想通貨NEMおよびイーサリアムでのブロックチェーンを利用でき、さらに両者間で自由な行き来が可能になるとのことです。

コムサはテックビューロが主導している関係で、やはりZaif取引所やテックビューロの製品との結びつきが強い性質があります。

テックビューロが販売するプライベートブロックチェーン製品「mijin」により、トークンの内部勘定・一括管理環境が提供されています。

またイーサリアムとNEMのブロックチェーンを行き来して利用できる米ドル・日本円、仮想通貨(ビットコインなど)にリンクしている固定レートトークン発行についても、テックビューロのサポートがあります。

コムサの注意点およびICO全般の対策

コムサへの投資についてですが、このトークンの相場のみならず、主要仮想通貨の相場に影響を受けることを念頭に入れてください。

全体に仮想通貨の相場が下落傾向の際には、おそらくコムサに投資した資金もしばらくは回収しにくいでしょう。辛口に言って、短期スパンでの投資はコムサにむのICO投資に、お金は増えません。

さて、日本にはICO運用手続等についての明確な法律は存在しません。改正資金決済法等に鑑み、日本政府はICOが違法でないかかなり注意して監視しているとみられます。

昨今のICOでは、実際にプロジェクトが行われてないものが多いという噂もよく聞きます。COMSA自体に違法性はなくとも、扱う事業の案件によってはなんの実質的ビジネスも行われなかった、というリスクもありえます。

将来的には金融庁が不適切なICOの差し止めを検討する流れになるでしょう。

これに呼応し、テックビューロ社は、コムサ事業を日本国の決済サービス関連法の規制を受け入れるための準備を進めると発表しました。

コムサは、日本から現れた信頼できるICOプラットフォームであるという点は大変高く評価できます。

ただプロジェクト自体は日本国内のビジネスに投資するものであるため、コムサを伝える海外ニュースは昨年秋に数本あったのみで、現在では海外では大きな話題になっていません。

今後、やみくもな投資ではなく、ICOに参加する人はある程度の法的知識や、ホワイトペーパーを読み解く能力が求められる段階に入っていくでしょう。

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