ビットコインのマイニングとは?採掘の仕組みを解説します
代表的な仮想通貨として、広く様々な人に知られている「ビットコイン」。そんなビットコインは。「マイニング」という作業によってのみ、新規通貨発行作業が行われます。
「マイニング…?」と初めて聞く単語に「?」が浮かんだ人も多いでしょう。ですが、マイニングはぜひみなさんに知っておいてほしい大切なことば。そんなマイニングについて詳しく説明していきますね!
ビットコインのマイニングとはどういうこと?
「マイニング」は別名「採掘」とも呼ばれる、ビットコインにとってとても大切な作業のこと。
マイニングは
- ブロックチェーン上に情報を追記していく作業のこと
- ビットコインはマイニングでのみ通貨が新規発行される
- マイニングによって新規発行されるビットコインの量は決まっている
という特徴を持っています。
ブロックチェーンに追記していく作業とはどういうこと?
ビットコインではブロックチェーンという技術を使うことで、特定の管理者がいないにも関わらず適切な取引が行われています。
10分間の取引の内容が記載された「ブロック」がチェーンのように連なっているもの。マイナーによってブロックに取引内容を追記していき、ブロックチェーンのそれぞれのブロックは密につながっています。情報を改ざんしようとすると全てのブロックの改ざんをしなければならず、膨大な計算量となるため実質不可能といわれています。
特定の管理者がいないのであれば、誰がブロックに取引内容を追記しているのか、気になりますよね。取引内容を追記している人それが、マイニングを行っている「マイナー」と呼ばれる人々なのです。
ブロックチェーンでは、膨大な量の取引を取り扱っています。そのため、自分のPCなどを使用し膨大な計算を行うマイナーが世界中に多く必要です。そんなマイナーが取引内容を常に追記してくれているおかげで、取引内容が随時反映され適切な取引を行うことができます。
ビットコインはマイニングでのみ通貨が新規発行されるって本当?
ビットコインが新規発行されるのは、「マイナーに報酬としてビットコインが支払われるときだけ」です。
ビットコインのシステムでは、マイナーがビットコインの取引追記のために頑張ってくれた報酬として、ビットコインを新規発行し支払います。ビットコインが新規発行されるのはこのときだけで、他に新規発行されるときはありません。
マイナーが自分のPCや電気代を使ってまで採掘を行っているのは、ビットコインを報酬としてもらうため。ただ、日本では電気代が高く、報酬よりも電気代や費用の方が高くなり損をする場合が多いのが現状です。
新規発行されるビットコインの上限は決まっているって本当?
ビットコイン実は、発行上限枚数がはっきりと決まっています。「2,100万枚」がその上限です。2017年12月現在、ビットコインの発行枚数は1,670万枚。すでに8割程度のビットコインがマイニングされている計算になります。
「このままでいくと、新規発行がすぐにできなくなるのでは…?」と思われる方も多いでしょう。ですが、ビットコインにはマイニングによって受け取ることができる報酬量を4年に1度のペースで半減させると決まりがあります。
年 | マイニング報酬(BTC) |
---|---|
2009年 | 50 |
2013年 | 25 |
2016年 | 12.5 |
2009年と比較すると、2018年現在では1/4の量しかもらうことができません。ビットコインのマイニング報酬である新規発行が減ることは、「半減期」と呼ばれます。
ビットコインに半減期がなければ、どうなるでしょうか。もしも同じ量がずっとマイニングされ続けていると、すぐに上限の量に達してしまいます。そうすると起こるのが「インフレ」。急な価格上昇が起こってしまうのです。
急な価格上昇を防ぎ、緩やかに価格を上昇させるために作られた半減期。その半減期があるため、ビットコインの発行枚数がすぐ上限に達することはありませんが、2033年には99%ものビットコインがマイニングされるといわれています。
2140年にビットコインの採掘が終わるといわれているため、マイニングは実質2140年まで行うことは可能ですが、得られる報酬はどんどんと減っていきます。
ビットコインのマイニング、どのような方法があるの?
ビットコインのマイニングには、
- 自分のPCだけでマイニングを行う「ソロマイニング」
- 集団でマイニングを行う「マイニングプール」
- マイニングしている団体に投資する「クラウドマイニング」
- スマホのアプリで発掘する「スマホマイニング」
の4種類のやり方があります。
自分のPCだけでマイニングを行うソロマイニングとは?
「ソロマイニング」とは、自分自身で機材などを揃え個人でマイニングする方法です。何かのサービスに登録するわけではないため、手に入れた報酬は全て自分の報酬となります。
ソロマイニングをするために必要なものは
- ビットコインを入れるための「ウォレット」
- マイニングをするために必要な「マイニングソフト」
- より効率的にマイニングするための「マイニングマシン」
の3つ。
これらのものを準備し、ソロマイニングを行います。ソロマイニングの具体的な方法や必要な費用については、後で詳しく紹介します。
集団でマイニングを行うマイニングプールとは?
集団でマイニングを行うマイニングプール。ビットコインが登場した当初は、ソロマイニングがマイニングのほとんどの割合を占めていました。ですが、2010年にマイニングプールでのマイニングが初めて成功してから、マイニングプールの割合が大きくなっています。
1つの会社でマイニングを行っているようなもの。
マイニングを行う会社に属しているマイナーはマイニングに必要な計算力をマイニング会社に提供する。
マイニングが成功した際には、個々のマイナーが提供してくれた計算力に見合った報酬を会社側がマイナー側に支払う。
マイニングとは、ビットコインの取引内容を承認する大切な作業。そのため、マイニングプールは、マイニングを行う団体ではあるものの、ビットコインにおいてとても大きな力を持っています。
ビットコインからビットコインキャッシュが派生したのも、マイニングプールの一部が仕様変更に反対したため。そのくらい、マイニングプールの団体はビットコインにおいて、大きな影響力を持っています。
マイニングしている団体に投資するクラウドマイニングとは?
マイニングをしている企業や団体にお金を投資する。
投資したお金がマイニングに利用され、投資した金額によって受け取れる報酬が変わる。
株式投資の配当のようなもの。
クラウドマイニングの長所は
- マイニングに関する詳しい知識は必要ない
- マイニングマシンなどの費用や電気代を心配する必要がない
という点。
クラウドマイニングの短所は
- クラウドマイニングの会社自体倒産する可能性がある
- ビットコイン自体の価値が下がり、投資した金額よりも損する可能性がある
という点です。
クラウドマイニングは長所にもあるように、初期費用が少なく済むうえ難しい知識が必要ありません。また、マイニングには膨大な電気代がかかります。電気代のために赤字になることも多々あるのです。そのような心配をしなくて済むのが、クラウドマイニングのいいところでしょう。
クラウドマイニングで最もよく知られているのが、「Genesis Mining」という台湾のクラウドマイニングサービス。
日本語にも対応しており日本人でも使いやすいことが特徴です。費用が他のクラウドマイニングよりも安いことも、使いやすい要因の1つ。
在庫切れがよく起こるため購入がしづらいときがあるのが難点ですが、初めてクラウドマイニングをするならば、「Genesis Mining」にしておけば、間違いないでしょう。
スマホのアプリでマイニングする方法とは?
実は、スマホのアプリを使ってマイニングする方法もあります。Androidの端末ならば、マイニングソフトとして有名な「Miner Gate」のアプリをダウンロードすることも可能です。
Miner Gateのようによく知られているアプリならばいいのですが、マイニングアプリの中には怪しげなアプリも数多くあります。そのため、アプリをダウンロードする際には、きちんと見極めたのちに行いましょう。
ビットコインマイニングの具体的な方法が知りたい!
ソロマイニングやマイニングプールのように自分でマイニングを行う場合の具体的な方法について説明していきます。
マイニングを行うには、
- ウォレット
- マイニングソフト
- マイニングマシン
の3つが必要でしたね。
その他にも、マイニングを行うには膨大な電気代がかかります。
それぞれについて詳しく説明していきます。
ビットコインを入れておく財布、ウォレットとは?
「ウォレット」とは、ビットコインを入れておくための財布のようなもの。
ウォレットには「ウェブウェレット」、「ソフトウェアウォレット」、「ハードウェアウォレット」などがあります。
Web上にあるウォレットに仮想通貨を入れておくもの。
ウェブ上であるため、ネットにつながる環境であればどこでも簡単にログイン可能。
ネット上にあるためハッキングされる可能性が高い。
少額を短期間保管しておくのに向いている。
自分のPCなどにウォレットのソフトウェアをダウンロードし利用するもの。
自分のPCにダウンロードしてあるため、ネットに接続すること必要がない。
自分のPC自体が壊れてしまう、ハッキングされてしまうという出来事には弱い。
大きな金額を長期保管するのに向いている。
ウェブウォレットよりは、安全。
秘密鍵を保存しておく端末を利用するウォレット。
普段は端末自体ネットにつなげているわけではないため、ハッキングされる心配なし。
ただし、特定の仮想通貨にしか対応していない端末が多い。
端末自体、1~2万円程度する。
大きな金額を長期間持つと決めている場合に、最適な方法。
マイニングを行うためには、ウォレットは必ず必要です。どのウォレットでもいいので、まずは1つウォレットを作ってみましょう。
マイニングを行うソフト、マイニングソフトとは?
「マイニングソフト」は、ソロマイニングを行う際には必ず必要なもの。サイトからファイルをインストールし設定などを行うと、使うことができます。BitZenyやGitHubといったサイトからインストールすることが可能です。
BitZenyでは、マイニングソフトをダウンロードする画面でウォレットもダウンロードできるようになっています。そのため、ウォレットとマイニングソフトをセットでダウンロードするのもおすすめです。
より効率的にマイニングを行いたいなら、マイニングマシンを購入しよう
マイニングは自分のPCでも行うことはできます。ですが、自分のPCではどうしても採掘できる量が少なくなり、「電気代の方が高かった…」という悲しい結果になることも少なくありません。ゲーム用のハイスペックパソコンならば、採掘できる量が増えるためそれなりの収益を上げることもできるようです。ですが、さらに効率的に収益を上げるためには「マイニングマシン」を使いましょう。
マイニングマシンとは採掘専用のマシン。マイニング専用のマシンのため、PCよりも効率的にたくさんのビットコインを採掘することができます。マイニングマシンは、日本のサイトで購入しようとすると、海外で購入したものの転売となり、とても割高になります。そのため、海外のサイトで購入するのが一般的な買い方です。
マイニングマシンは、安いものでも20万円近くします。ですが、本格的にマイニングをしようと考えている人にとってはなくてはならないものです。マイニングで稼ぎたいのならば、購入してみましょう。
マイニングって電気代がすごくかかるって本当なの?
マイニングはPCやマイニングマシンを使って、常に作業をさせているわけなので、とても電気代がかかります。そのため、できる限り効率的にたくさん採掘できるマシンを使わなければ、利益が出ないのが現状です。
例えば、マイニングを毎日24時間PCにさせていたとします。その場合の電気代は100円程度。1か月で100円以上稼がなければ、利益が出ない計算になりますよね。
実は、私たちが一般的に使っているPCで1か月間ビットコインのマイニングをしても、70円程度にしかなりません。完全な赤字です。ですが、マイニングマシンを使う、アルトコインの採掘を行うなど条件を変えれば、黒字にすることもできます。
ビットコインのマイニングとアルトコインのマイニングって違うの?
ビットコインのマイニングとアルトコインのマイニング、どちらでもするべきことは同じです。ですが、マイニングの難易度などが異なります。
ビットコインのマイニングの特徴とは?
ビットコインのマイニングの特徴は
- 「ASIC」というマイニング専用マシンが開発されている。
- 普通のPCでマイニングしても、まったく太刀打ちできない。
という特徴があります。
ビットコインは、仮想通貨のキングともいうべき、最も有名な仮想通貨ですよね。そのため、マイニングに関しても他の通貨よりも参入する人が多いことが特徴です。
ビットコインのマイニングに関しては、「ASIC」と呼ばれる専用のマイニングマシンが開発されています。
普通のPCでマイニングする速度の数百倍の速度でマイニングができるマシンであり、マイニングをしているほとんどの人がASICを使っているため、普通のPCでマイニングを行うととても少額しか稼ぐことができません。
アルトコインのマイニングの特徴とは?
アルトコインと一言で言っても、様々な種類のアルトコインがありますよね。そのため、マイニングで稼ぎやすいアルトコインと稼ぎにくいアルトコインがあります。
マイニングで稼ぎやすいアルトコインの特徴は
- 「ASIC」というマイニング専用マシンが開発されていない。
- 仮想通貨の価値が高い。
- 採掘難度が低い。
という3つを兼ね備えているもの。
ビットコインのマイニングのときにも紹介した「ASIC」というマイニングマシンは。ビットコインだけでなく、ライトコインなどのアルトコインなどでも開発されています。ASICが開発されているかいないかは、マイニングにおいてはとても大切なこと。そのため、マイニングでより効率的に稼ぐには、ASICが開発されていないアルトコインを選ぶことが大切なのです。
仮想通貨の価値が高いものを選ぶのもとても重要です。仮想通貨の価値自体が低ければ、採掘しコインを得たとしても価値が上がらない可能性もあるため。ある程度価値が高く、これから価値が上がる可能性のあるアルトコインを選ぶといいでしょう。
採掘難度が低いアルトコインを選ぶことも大切です。採掘難度が低ければ、自分自身のPCなどでもマイニングで利益を出すことができます。そのため、採掘難度が低いアルトコインを選びましょう。
様々な方法があるビットコインマイニング!
ビットコインのマイニングは、仮想通貨取引をするならば、ぜひ知っておきたいこと。
ですが、ビットコインマイニングは、ソロマイニングやマイニングプールという方法においては、マイニングマシンなどでしっかりと投資しなければ儲かりにくくなっているのも事実です。
儲かると思い気軽に挑戦してみるのではなく、マイニングに関するきちんとした知識を手に入れてから、挑戦してみましょう。