ビットコインが暴落する原因とは?過去の急落から予想する今後の変動
インターネットで「ビットコイン」を検索をすると、「ビットコインは必ず上がる!」とか、「ビットコインは1000万円を越える!」など、ビットコインに関する前向きな情報を多く見つけることができます。
果たしてこの情報は本当なのでしょうか?
確かにビットコインの過去のチャートを見ると、今後もビットコインは高値を更新しそうに見えます。しかし、一体誰がそれを保証したのでしょうか?
ビットコインの過去を振り返ると、確かに年々高値を更新しているように見えます。その一方で、ビットコインは過去に何度も暴落を経験しています。
ビットコインに限らず、あらゆる金融商品は暴落する可能性を常に秘めています。ビットコインだけが例外な筈がありません。
ビットコインは値上がりするという情報だけを信じ、ビットコインに投資をすると、大損する恐れがあります。しかし、過去の暴落の原因を知り、対策を講じるのであれば話は別です。
ビットコインの暴落は確かに投資家からするとリスクではありますが、同時に安くビットコインを購入するチャンスでもあるのです。
過去にビットコインが下落した時の原因とは?
ビットコインはまだ黎明期ということもあってか、価格の変動が激しく、ちょっとしたことでもすぐに暴落するほど危ういです。
ビットコインはまだ生まれたての赤ん坊のようなもので、価格は安定し辛く、常に激しく上下に動いています。それだけに、ビットコインに関する悪い情報やニュースが出るとすぐに反応し、暴落します。
過去にビットコインの暴落を引き起こした出来事は複数あるのですが、その中でも特に有名なイベントというと、中国のICO全面禁止や2018年の1月に起きたコインチェックのネム流出、その2月に起きたテザー疑惑などがあります。
中国のICO全面禁止で大暴落
ビットコインの価格は2017年4月頃より大きく暴騰し、2017年の8月にはついに50万円を突破するという快挙を成し遂げました。
ちょうどその時期、中国でICOを全面的に禁止するというニュースが流れました。もともとビットコインなどの仮想通貨に対して否定的だった中国政府は、9月頃にICOを全面的に禁止すると発表し、その結果として中国の仮想通貨市場は大いに混乱しました。
当時、ビットコインの市場参加者というと主に中国人で、中国の巨大なチャイナマネーが流れることでビットコインの価格は高騰していたと言われていました。
中国政府がICOを全面的に禁止にするというニュースが持つ影響力は非常に強く、50万円以上あったビットコインの価格は一気に急落し、30万円台まで暴落しました。
この時、ビットコインはもうお終いだと悲観する人も多くいたようで、ビットコインなどの仮想通貨は軒並み売られたようです。しかし、多くの人が後々になってその時の行動を後悔したことでしょう。
というのも、確かに中国のICO全面禁止により、ビットコインの仮想通貨は一時期暴落しました。しかし、その後に高騰し、50万円を遥かに上回る高値を付けたからです。
2018年以降の大暴落
中国のICO全面禁止という措置が引き起こした暴落から数ヶ月後、ビットコインは再び暴騰し、12月頃には220万円以上にまで達するほどの値上がりを見せました。
しかし、2018年1月より上昇のペースが鈍り、下落が始まりました。多くの投資家は、おそらく調整による下落だろうと楽観視していたのですが、2018年1月に起きたコインチェックのネム流出という騒動がトリガーとなり、本格的な暴落に発展しました。
この時期、もう一つビットコインの下落を後押しする事件が起きました。それがテザー疑惑です。
テザーとは、法定通貨と同価値を持つ仮想通貨のことで、常に米ドルと同じ価格で取引できるという特徴を備えています。
そのテザーを管理しているテザー社が、流通しているテザーと同額の米ドルを有していないのではないのかという疑惑が持ち上がったことがキッカケとなり、ビットコインの大暴落が始まりました。
日本で最大級の取引所であるコインチェックからのネム流出と、ビットコインを買い支えていたテザーの疑惑という二つの事件を皮切りに、200万円以上あったビットコインの価値は一時期は60万円台まで暴落しました。
ビットコインが200万円以上だった頃に仮想通貨を購入した人の中には、この暴落のせいで仮想通貨の資産が3分の1以下まで減ってしまった人もいたことでしょう。
ビットコインはただでさえ価格が不安定です。それだけに、ビットコインにとってネガティブなニュースが流れると敏感に反応し、そのまま暴落する可能性が非常に高く、投資家は常に細心の注意が求められます。
ビットコインが暴落した時のリスク?借金の可能性は?
もしもビットコインが突然暴落し、購入時の価格よりもレートが下回ったら、下落した分だけの損失が発生します。
例えば、ビットコインの価格が200万円のときに2BTCを400万円で購入し、その後にレートが100万円まで暴落すると、2BTCあたりの価値は200万円となりますので、200万円の含み損を抱えることになります。
もちろん、この後にビットコインの価格が再浮上し、200万円まで上がれば、含み損を解消できるので、損失が発生しないで済みます。
このように、ビットコインの投資をするにあたり、仮想通貨を売却しない限り、損失は確定しません。再びビットコインが上がってさえくれれば、損失を取り戻すことができます。
そればかりか、ビットコインが暴落した時に買い増しをすると、ナンピンの効果が働き、利益が増えるかもしれません。
では、ビットコインは売却さえしなければ、暴落が発生したとしてもリスクは発生しないのかというと、そんなことはありません。これはあくまで現物取引をする場合の話です。
もしもビットコインのFX取引をした場合、借金を背負うリスクがあるので注意しましょう。
FXで借金を背負うケースとは?
借金をして仮想通貨を購入するようなケースを除き、現物取引をするだけで借金を背負うことはありません。もちろん、大損する可能性こそありますが、マイナスになることは基本的にないです。
例えば、ビットコインを100万円分購入し、その後にビットコインの価格が消失し、0円になったとしても、資産が消えることはあってもマイナスにはなりません。
しかし、FXは違います。FXではレバレッジをかけることで、証拠金以上のパフォーマンスを狙うことができます。
そのため、レバレッジを高めに設定した状態で思惑を外し、暴落に巻き込まれると、損失が大きすぎるあまりマイナスになる、つまり借金を背負うことがあります。
例えばレバレッジ10倍、証拠金10万円、ビットコインのレートが100万円という状況で、1BTCのロングポジションを保有したとします。
この後、ビットコインのレートが暴落し、60万円まで下落すると、トレーダーは40万円の含み損を抱えることになり、証拠金の額をオーバーしてしまいます。つまり借金を背負うことを意味します。
これが現物取引ならば、ビットコインの価格が100万円になるまで待機するという方法も取れるのですが、FXでは出来ません。
というのも、FXには一定水準以上の損失が発生した場合、強制的に決済をする強制ロスカットの機能があるからです。
例えば、証拠金維持率50%でロスカットをするという取引ルールのある取引所を利用し、証拠金維持率が50%を割ると、本人の意思とは無関係に勝手に強制ロスカットが行われます。
強制ロスカットの制度がある限り、一見すると証拠金がマイナスになることは無いように思われます。しかし、強制ロスカットは条件が発生したら即座に発生するというものではありません。
サーバーが不安定で、約定率が低い取引所などを利用すると、強制ロスカットがなかなか発動せず、証拠金がマイナスになるまで決済ができないこともあります。
もしもビットコインFXで赤字が発生し、マイナス分のお金を支払えない場合、取引所より債権の回収が行われます。FXの借金は原則として自己破産できませんので、自力で返済することになります。
このような借金のリスクを回避しつつ、仮想通貨投資をしたいのならば、FXは避け、現物取引のみ行いましょう。
仮にFXをするにしても、無茶な取引は絶対に避けましょう。
暴落の基準とは?暴落を判別するための方法
ビットコインの暴落は、一見すると含み損を抱える嫌な場面です。しかし、見方を変えると、利益を増やすチャンスでもあります。
例えば、ビットコインが200万円から100万円まで暴落したとします。この暴落時にビットコインを購入し、その後に再び200万円まで戻ってくれれば、200万円の高値を更新せずとも利益を得ることができます。
このように、暴落というのは見方を変えると利益を得るチャンスなのです。ただ、そもそも暴落とはどの程度レートが下落すれば暴落したと呼べるのでしょう?
ビットコインは普段、何もないような時ですらよく下落します。一見すると暴落したかのように見える下落トレンドが、実はただの調整で、すぐに反転して上昇するなんて事は、ビットコインの相場ではよくあることです。
一体どこを基準にビットコインが暴落したと判断すれば良いのでしょう?
MACDを使って判断する方法
暴落というのはそもそも抽象的な言葉です。ここまで落ちれば暴落したと呼べるような、明確な基準はありません。ただし、大きな下落であれば、MACDなどのテクニカル指標を用いることで判別が可能です。
MACDはFXや株式投資などでよく使われるテクニカル指標です。使い方は非常にシンプルなので、初心者であってもすぐに使い方をマスターできるでしょう。
このMACDを使えば、かなり高い精度でビットコインが暴落し、そして反転するタイミングを見つけることができます。
例えば、MACDのラインがシグナルのラインを下から上に突破したところでビットコインを購入すれば、下落トレンドが終了し、相場が反転したタイミングでビットコインを購入することができるため、ちょうど暴落した直後の安い価格でビットコインを買えます。
後は価格が上昇し、ビットコインの値段が上がるのを待ってから売れば、利益が出るでしょう。
このMACDが下から上にクロスしたタイミングだけを狙ってビットコインを購入し続ければ、上手に暴落直後の安いビットコインを購入し続けることができるでしょう。
その反対で、MACDがシグナルを上から下にクロスしている時は、相場が下落トレンドに入っている証左でもありますので、購入は控えておいた方が良いでしょう。
このMACDのラインがシグナルのラインを上から下にクロスしている最中は、暴落する可能性があります。そのため、買いのシグナルが出るまで待った方が良いです。
ちなみに、下降トレンド発生のシグナルが出た時に、既に含み益が出ているのであれば、一度ビットコインを売却して利益を確定し、下降トレンドが終了した後に再び買い直しても良いかもしれません。
未来の出来事を予測できるわけではないから、投資のタイミングを図るひとつの要素として利用するといいだろう。
投資では常にあらゆるリスクを想定して投資を行いましょう。きちんとリスク管理さえ出来ていれば、MACDなどのテクニカル指標は、投資をサポートする優れたツールとなります。
今後ビットコインが下がる可能性
ビットコインに限らず、あらゆる金融商品に暴落する可能性はあります。金やプラチナ、株価、不動産など、どれほど信用度の高い金融商品であろうと暴落の可能性があるだけに、ビットコインだけ例外で暴落がないなんて言いきれません。
ビットコインは、他の金融商品以上に価格が不安定なだけに、暴落する可能性は他の金融商品以上と言っても過言ではないでしょう。
そのため、仮想通貨に投資をする際には常に、いつかは暴落するという前提を基に投資プランを練りましょう。
暴落することを前提に投資プランを練ること、それが最良の暴落対策となります。では、具体的にどうすれば暴落に備えることができるでしょう?
できるだけシンプルな方法で暴落を回避したいなら、分散投資がオススメです。
分散投資をするメリット
ビットコインは常に暴落するリスクがあります。そのため、仮想通貨に投資する際には、いきなり全額投資をするのではなく、部分的に投資をしましょう。
例えば、100万円をビットコインに投資をする際には、いきなり全額投資をするのではなく、4分割して25万円ずつ投資をするなど、分散して投資をするということです。
分散投資をすることで、暴落のリスクを抑えることができます。100万円を4分割し、1週間に1度のペースで25万円ずつ投資をすると、第一週目で暴落が発生しても、いきなり大損せずに済みます。
それどころか、二週目の暴落直後に追加で25万円を投資することで、安くビットコインを購入することができます。
その後、順調に暴落から回復すれば、ナンピンの効果が働き、キャピタルゲインを得られるでしょう。
例えば、1週目のビットコインの価格が100万円、2週目に暴落して20万円まで落ち、3週目に価格が回復して50万円、そして4週目に100万円に戻ると仮定します。
それぞれの週に25万円ずつ投資をすると、1週目に投資をした金額の25万円は2週目の暴落に巻き込まれ、5万円まで下落します。ここだけ見ると、20万円の損失です。
この時売却をせず、さらに25万円を追加で投資をすると、保有する仮想通貨資産は30万円となります。次に3週目の値上がりで、30万円分の価値のあるビットコインは75万円分まで値上がりします。
3週目に追加で25万円を投資すると、75万円+25万円で100万円となります。この状態で4週目の値上がりを経過すると、保有する仮想通貨資産は200万円まで上がります。
この時点で、保有するビットコインをすべて売却すれば、200万円の現金が手に入ります。つまり、100万円の利益が発生したことになります。
100万円の価値があったビットコインが下落し、再び元の価値にまで戻っただけなのに、分散投資をすることで100万円を200万円まで増やすことができたことになります。
このように、分散投資をすると、暴落のリスクを回避しつつ、同時に利益も狙えるというメリットがあります。
暴落のタイミングを予測する方法
分散投資をすることで、暴落に備えることはできます。しかし、暴落は回避できるに越したことはありません。果たして暴落を回避する方法はあるのでしょうか?
まず、暴落といってもそれぞれで、原因がはっきりしている暴落もあれば、原因がはっきりしてない暴落もあります。そのため、ニュースだけ見てれば暴落を防げるということにはなりません。
というよりも、ニュースというのは基本的に暴落が発生した後に発表されるため、ニュースを見ている限り、暴落を予測することはまず無理でしょう。ニュースが出た時点で、既に手遅れなのです。
移動平均線を使って下降トレンドを予測しよう
チャート上に移動平均線の短期線と中期線、長期線の三つのラインを引き、短期線と中期線が長期線よりも下にある時は、下降トレンドが発生している最中と判断できます。
特に、下から順番に短期線、中期線、そして長期線のラインが伸びている時は、強い下落トレンドが発生しているシグナルなので、買い注文は控えましょう。
移動平均線の位置関係をしっかりと確認している限り、暴落や強い下降トレンドなどを回避することができるでしょう。下降トレンドが終了すると、今度は上昇トレンドがやってくるかもしれません。
それに備えて事前にビットコインを購入し、上手に上昇トレンドに乗ることができれば、暴落を回避しつつ利益を獲得することができるでしょう。
暴落や急落と上手に付き合うコツ
なぜなら暴落する可能性があるということは、同時に高騰する可能性を秘めているからです。
ビットコインの価格が今後、200万円を越え、300万円から400万円、果ては500万円まで行くかどうかは誰にもわかりません。しかし、200万円までならば、既に一度行ったことがある価格です。今後、再び200万円まで高騰する可能性はとても高いでしょう。
たとえ200万円まで到達せずとも、それに近いレートまで値上がりしてくれれば、値上がり分の利益を獲得することができます。そして、その利益を得るためには、ビットコインには一度暴落してもらわないといけません。
ビットコインの暴落は、利益獲得のチャンスでもあるのです。
もしもビットコインが暴落したらどうしようと怯えるのではなく、暴落が来たらラッキーだと思うようにしましょう。そのように前向きに考えることが、暴落と上手に付き合うコツです。
なにより、必ず暴落するということがわかっているのであれば、いくらでも対策を練られます。暴落する前提で対策を考えておけば、いざ本当に暴落しても慌てることなく、利益を狙えるでしょう。