ビットコインアドレスとは取引に必要な情報!仕組みや注意点を解説

ビットコインを始めたのだけれど、基本的な部分でよくわかっていない、という方に時々相談を受けることがあります。「アドレス」という言葉で、混乱されている方が少なくないように感じました。ビットコインを始めとする仮想通貨で言う「ウォレットアドレス」とは、いったいどのようなものなのでしょうか。今回はこの点を少し詳しく掘り下げてご説明していこうと思います。

ビットコインの「アドレス」とは何か

仮想通貨でいう「ウォレットアドレス」とは何でしょうか。これは一言で言うなら、「銀行口座番号」のようなものです。

ビットコインの場合、そのアドレスは「ビットコインが入っている場所」を示し、具体的には30文字前後の文字列で出来ています。これをQRコードにしたものをよく見かけますが、結局は文字の羅列です。

例:14P9Afj87zffzAst4fyYFGBDffhKEibMjn

仮想通貨の中でも、今回はビットコインを例として紹介していますが、BTCの場合、最初の文字は「1」ないし「3」です。乱数になっており、長さは27から34文字あります。これは、公開鍵というアドレス生成に重要な暗号を加え、ダブルハッシュという暗号学的な計算をし、そのバイナリデータを「Base58」フォーマットで表現しているために、このような長々した乱数になっているのです。

昔の方式では、アドレスはかならず「1」で始まりましたが、より安全なマルチシグ方式ですとアドレスは「3」で始まっています。

このビットコインアドレスは、あなたへだれかが仮想通貨(ビットコインなど)を送付する際にかならず必要なものです。たとえば、ビットコインで買い物をする場合、お店のビットコインアドレスが提示され、あなたはそこへコインを送付することになります。

仮想通貨の世界では、口座がすなわち「ウォレット」です。つまり、仮想通貨ひとつひとつにウォレット固有のアドレスです。あるユーザーが3台のPCを持っていて、それぞれに仮想通貨(例えば、モナーコイン)のウォレットをインストールしてあれば、「ウォレットアドレス」はそれぞれ異なります。

BTCを送るときは、銀行の送金と同様に相手(受取先)のビットコインのウォレットアドレスが必要で、そのアドレスを指定して送信するのです。自分が受け取るときには、相手へ自分のビットコインのウォレットアドレスを間違いなく、正確に伝える必要があります。

銀行でもそうですが、口座番号が間違っていたらお金は届きませんので、ウォレットのアドレスも間違っていてはだめです。

bitFlyerでビットコインアドレスを確認する

bitFlyer(ビットフライヤー)にアカウントがあり、そこへビットコインを受け取りたい場合、自分のアカウントのビットコインアドレスを知る必要があります。

bitFlyerにログインしてから、「入出金」メニューの中に「BTCお預入」というタブがありますので、ここから「お客様用ビットコインアドレス(お預入)」を確認します。

ここで表示されるアドレスが、ご自分のbitFlyerのビットコインアドレスです。この際、同じアドレスがQRコードで表示されてもいます。スマホのカメラで読み取ると、正確にコピーできます。

bitFlyerではいわゆる「HD ウォレット(Hierarchical Deterministic Wallet=階層的決定式電子財布)」を採用していると見られ、これはシードというキーから複数の秘密鍵が作成可能で、それによりアドレスが変化します。

ビットフライヤーの注意書きにもありますが、ユーザーのビットコインアドレスは変化することがあります。違う所に行ってしまうのではなく、同じ財布に届くのですが、「複数のアドレス」を持つことができる仕組みになっています。

このアドレスは、他の所からBTCをあなたのbitFlyerアカウントへ送付するときに必要なもので、必ずこのアドレス宛に送る必要があります。

ちなみに、送金の際には送金手数料が若干かかりますが、ビットコインを受け取る側は手数料はかかりません。

ご存知ですか?ビットコインのウォレットの中身は世界中に丸見え

私達の普通のお財布も、銀行口座も、誰もその中身はあなた以外見られないはずです。

しかし、仮想通貨のほとんどのウォレットは、アドレスを知っていれば、だれでも見られます。

ひとつ実験してみましょう。2014年に起きたビットコイン取引所「MtGOX」が破産しましたが、その管財人が残ったBTCを貯めているウォレットがあります。そのアドレスは知られており、世界の誰でも、インターネット経由でその残高を見ることができるのです

MtGox Cold Wallet Monitor – CryptoGroundを見てみると、あのマウントゴックス(の管財人)の保有しているとされているBTCとBCH(ビットコインキャッシュ)の残高が出ています。「137891BTC」というのがそれですね!

このように、仮想通貨の世界では、ウォレットは全世界に見られています。ですから、もしあなたが友人のウォレットアドレスを知っていれば、その人の保有資産(そのウォレットにある分)を追跡・監視することができるんですよ。

Bitcoinブロックエクスプローラの「SEARCH」にビットコインのアドレスを入力すれば、すぐにその残高がわかります。

一般的にいって、あなたの銀行の口座番号を知っている人がいたとしても、今の残高については、その人は見ることはできませんね。

しかしビットコインや多くの仮想通貨については、そのアドレスにある残高と、最近のやり取りについて、ハッキングなどをしなくても、公開されているため誰でも見ることができます。

えっ!見られるのは嫌だ!と思いませんか。そこで、「定期的にアドレスが変わる」しくみが付いているのです。

ウォレットはどうして時々受け取り用アドレスが変わるのか

この問題は多くの人が指摘し、不安に思っているようです。自分に届かなかったらどうしようという心配がありますね。

なぜこのようになるかというと、実は、ユーザーのプライバシーを守るために開発者が便利な機能として[HD Wallet]追加しているだけで、バグなどではありません。

安心していただくため結論から言うと、これまでに表示されたウォレットアドレスはちゃんと有効です。

後述しますが、ビットコインのウォレットアドレスは、その中に入っている残高を世界中に公開しています。あなたのアドレスを知っている人は、あなたの残高をネットでいつでもチェックできます。ですからプライバシーのために、アドレスは毎回変わったほうが都合が良いのです。

ところで、古いビットコインのウォレットアドレスをまた使っても正しく着金するでしょうか?
これは、大丈夫です。ウォレットを変更しないかぎり、以前に使ったことのあるアドレスもまだ有効です。

ウォレットが同じなら、新しいアドレスも同じところへ着金するようになります。古いアドレスはなくなったのではなく、ウォレットに表示されないものの、まだ記憶されていますので有効。だから古いアドレスに仮想通貨を送っても残高に反映されます。

「HDウォレット」でアドレスを変えたとき、他の人はそのアドレスから、もとのアドレスを知ることは出来ませんので、送金先は特定不能です。実際にはあなたのウォレットに着金しているのですが、他の人に追跡されないというメリットがあります。

ここまででまとめると、

  • 1.ビットコインのHDウォレットアドレスが変わるのはユーザー保護の機能であり心配なし
  • 2.ビットコインのウォレットアドレスを知っていれば、誰でもどこでもそのアドレスの残高や取引記録が見られる(公開)
  • 3.残高を知られたくなければ、できるだけ同じアドレスに残しておかない
  • 4.HDウォレット技術では、アドレスの古いものも使えるようになっている。

となります。

公開鍵と秘密鍵

ビットコインにおける、いわゆる公開鍵、秘密鍵の関連は、2つのキーが対になっていると考えます。キーは2種類ですが、結局は1つのウォレットを使用するためのペアです。

ビットコインはインターネット上で保管され、分散されているため、簡単は他者に盗まれないようにしないといけません。ここで「公開鍵」と「秘密鍵」の2つが登場します。仮想通貨をリスク無く使用するため、公開鍵(世界に公開されているキー)秘密鍵(ユーザー本人のみ知るキー)をセットにし、送金を受けるときと支払うときで、この鍵を使い分けています。

ビットコインアドレスには必ず、秘密の英数字が別途用意されており、これを「秘密鍵」と呼んでいます。

ビットコインアドレスの秘密鍵は、それを知る人のみが、そのビットコインアドレスから出金できる、つまり「暗証番号」と同じものだと言えるでしょう。

秘密鍵を用意すると、自動的にそれに対応する公開鍵が生成されされます。この公開鍵からさらにビットコインアドレスが生成されます。秘密鍵から公開鍵を作るのは簡単ですが、その逆(公開鍵から秘密鍵を探し出す)のは、不可能ではありませんが、ほぼ無理なほど大変です。

このような不可逆性が、ビットコインのウォレットの残高を他人に奪われないようにしているわけです。ですから、秘密鍵は、誰にも教えてはいけません。この秘密鍵からアドレスが割り出せるからです。

逆にアドレスだけでは、秘密鍵を知ることは不可能です(一方向性関数であるため)。仮想通貨の英語名がクリプトカレンシー(Cryptocurrency)と言うのは、このように「暗号化処理」がされているから「Crypto-」という言葉が入っているのです。

簡単に言うと、ビットコインやほぼ全ての仮想通貨では「秘密鍵」は「口座番号+その暗証番号が一緒に書いてあるメモ」です。ただし、個人名などは書いていません。

銀行と異なり、仮想通貨のウォレットには個人情報は一切紐付けられていません。

つまり、銀行口座のように再発行は誰もしてくれません。秘密鍵は、あなたがそのウォレットの残高を取り出せる唯一の方法なのです。

注意:入力ミスは回復不可能なエラーに

もし、手入力で長々としたウォレットアドレスを入力し、それが1文字間違いだったら?

電子メールだったら、おそらく「この宛先は存在しない」とエラーで戻ってくるでしょうね。

しかし、ビットコインアドレスを打ち間違えた場合、そのアドレスが誰か偶然に使われている、または存在する・しないにかかわらず、ビットコインは「行ったきり」になってしまい、決して戻ってきません。「誰かが使っている、いない」ではなく「そのアドレスに飛んでいって、誰かがそのアドレスを開けるまでとどまっている」のです!

お願い、私どうかしてたの!たった1回の過ちだったの!どうか帰ってきて!と泣いても叫んでも、「絶対に」誤送信したビットコインが帰ってくることはありません。

これは大問題ですね。銀行のように管理する会社はありませんから、事実上その「誤送金」のビットコインはあなたの元へ帰ってきません。

このような事態にならないように、絶対に手入力でウォレットアドレスを入れてはいけませんよ!

また、別の点でも注意が必要です。異なる仮想通貨のアドレスに送ってはいけません!行方不明になり戻ってこない危険性が高いです。

例えば、ビットコインとビットコインキャッシュは完全に別のコインですので、絶対に間違えて送信してはいけません。くれぐれも、送金の前には十分再確認してくださいね。ベテランの仮想通貨ユーザーでさえ、送金の前には何度もチェックしたり、場合によってはまず少額だけを送金して、ちゃんと届くかを確認してから、残金を送るという念のいったやり方をしています。

ビットコインアドレスについて注意すべきポイント

以下、読者の皆さんにはぜひ励行していただきたいポイントです。

  • 1.スマホやパソコンにメモ帳をつくり、そこにコピー・ペーストしておく
  • 2.そのアドレスを頭から最後まで1文字残らずコピーして貼り付ける
  • 3.送信する前に、目視で「最初の3文字」が合っているかどうか確認。さらに「最後の3文字」も間違いないか確認する。(慎重な人は全文字を読み上げて確認しています!)
  • 4.QRコードを使って読み取る方法は更に安全だが、それでも送信前に(3)は必ず励行する
  • 5.パソコンのブラウザを使っている場合、入力したあと、送信前に、ブラウザの「検索機能(Shift+F)」で、コピペしたアドレスをそのまま検索

ページ内で一文字違わず検索できたら、あなたのコピペは正しくできているということになります。

以上、ちょっと面倒ですが、送金の失敗で後悔しないために、絶対に実行してくださいね。

今後の普及の足かせに?長ったらしいウォレットアドレスは嫌われるかも

以上、ビットコインのウォレットにまつわる「アドレス」の基本知識についていくつか重要点を中心にご説明しました。

しかし、インターネット上の「アドレス」って、ホームページのURLにしても、QRコードの中身にしても、なんでこんなに長ったらしいんでしょうね。

ネットリテラシーのある人、慣れている人は問題ないでしょうが、こういう文字の羅列を見るだけで苦手意識が湧いてきてしまう人も多くいるはずです。

将来的には、今後の仮想通貨の本格的な普及に際して、ごくごく一般の人々が使うには、この点をもっとわかりやすく、間違えのないように、また「うっかりミス」をなんとか初期段階ででもリカバーできるような仕組みを作らなければ、受け入れられないのかも…とこの原稿を書きながら感じました。

とはいえ、仮想通貨の環境では、この長々としたアドレスと付き合わなくてはならないので、何とか克服し、そしてきちんと管理をしていくスキルを身につけるしかありませんね。やれやれ。

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