仮想通貨Augur(オーガー・REP)とは?特徴と将来性を解説

2017年ごろから、日本の仮想通貨投資家の間で話題になってきているコインの中で、ひときわ異色な存在なのがAugur(オーガー)です。

このコインは、これまでの仮想通貨とひと味違う、かなりユニークなコンセプトを持っていると言われます。

今回はAugurの特徴や将来性について、詳しく見ていくことにしましょう。

Augurは分散型未来予測市場プロトコル

「占い師」という名前(Augur)の仮想通貨、これは厳密に言うと仮想通貨というよりも、イーサリアム上で稼働する「アプリケーション」です。分散型の予測市場プロトコル予測プラットフォームだとも言われます。

予測市場?なんだかおもしろそうですね!
「予測市場」とは簡単に言えば「次の選挙で、誰が当選するか」を当てて、お金を動かすような先物取引のことだ。さらに直接的に言うなら「ギャンブル」だな。

Augur(オーガー)では、世の中にある様々なトピックにおいて、非常に精度の高い予測の結果を提供します。

オーガーが提供する様々な予測の正確さは、「”The Wisdom of the Crowd”(群衆の知恵)」という思想によるものです。

これは、多くの人々が参加しグループで行われた平均予測結果が、そのグループ内の個人の予測に比べ、より精度が高いという法則に基づくものだと言われます。

例えば、株価の予想をするとすれば、一個人の知識と意見に基づいた予測よりも、グループ全体の意見を反映した平均値のほうが、往々にして予想が正確なのです。

オーガーの発展史

オーガーの構想は、2014年にオーガーの共同設立者Jack PetersonとJoey Krug氏により考案されました。

ピーターソン博士は元・国防科学技術院卒業研究員で、クルッグ氏は2016ティエルフェローの一員です。オーガーの為にPomona Collegeを一時辞しています。ホワイトペーパーにあるように、二人は予測市場の初の分散型オープンソースプラットフォームの開発を計画しました。

またイーサリアムの創始者であるVitalik Buterin氏、Lightningネットワーク創始者のElizabeth Stark氏などの著名なアドバイザーもバックにいます。

アルファ版が一般公開され、その後オーガーの開発チームはさらなる資金収集のため2015年9月にトークン・クラウドセールを開催しました。

これが大きく成功し、最終的に520万米ドルを突破しました。2016年3月には初のバージョンがイーサリアムのtestnetで稼働し、その後も改良が進んでいます。

スマートコントラクト化された予想市場

オーガーは、イーサリアムのブロックチェーンを利用しており、すべての賭け金がスマートコントラクトで管理されます。

「スマートコントラクト(Smart Contract)」とは、仮想通貨の世界で今や重要な概念の1つで、さまざまな契約が、ブロックチェーン上で自動的に行われるプロトコルです。

これは、自動販売機をイメージすればわかりやすいでしょう。買い物客は、パネル上で希望の商品を選びボタンを押します。そしてその金額以上までお金を投入します。すると、販売機が反応して、希望の商品がゴロリと取り出し口から出てきます。

つまり、条件と契約詳細を定義して入力しておき、その後に条件に合う状況になると自動的に実行されるブロックチェーン上で行われる仕組みがスマートコントラクトです。

予測市場とは

さて、オーガーでは、この予測市場という言葉がよく使われます。

「予測市場 (Prediction Market)」 とは、未来の予測をする為の先物市場です。これから起こることを、大勢の人々の意見を取り込み、先物市場のしくみを使って数値を計算し、「予測値」とみなします。

この数値が変化していくのですが、アンケートなどとは異なり、参加者の自信の強さで、投票数を変化させられますので、かなりリアルタイムに、そして連続的に予測の意見を集められ、精度の高いものです。

競馬やサッカー賭博など、娯楽のみならず、たとえば、「今の政権は、次の選挙で勝つか?」英国がEUを脱退した後、英ポンドの為替相場はどうなるか?というような問題でもOKです。

オーガーでは、様々な未来における出来事について、大勢のひとびとの集合知による予測を行い、実際の事実を認定するという、分散型のプロトコルが使われています。

オーガーはそれぞれの賭けのオッズを算出し、賭け金を預かり、予想結果がどうであったかの事実認定を行い、配当まで行いますが、全て自動化されており、人間の胴元はおらず、分散型のソフトウェアがすべて自動処理するのです。

そのような、未来予測(つまりはギャンブルですか)は、有り体に言えばネット上の賭け事ではないでしょうか。オーガーでは、これは賭博ではなく、予測市場だと言っています。

上述の通り、オーガーの思想は、多くの人が集まって意見を出し、用いることで、未来の予知がかなりの確率で可能になるとしています。これは、「”The Wisdom of the Crowd”(群衆の知恵)」という思想によるものです。

参加者は人間ですが、初心者よりも経験者のほうがより良質な多くの情報を集めるようになり、回数をこなすごとに自信と精度が上がっていきます。

ある研究によれば、群衆の知恵の実験を行った最初の1か月では、参加者の自信度は59%、精度は57%だったのですが、これを繰り返していくと、 3年目の終りには、参加者の自信度は76.4%に上昇し、精度は76.1%に達しました。

100%は無理ですが、訓練を受けていくに従い、群衆の知恵のレベルがアップし、8割近い精度で予想ができるようになっているのです。

保険業界への革命となるか

この予測市場は、保険業界にとって革新的な要素となる可能性ともなり得ます。

え~!なんで保険業界?
保険とはそもそもこれからの未来に起こるかもしれない出来事を対象としている。事故や病気が起きれば契約上の保険金が出るわけだが、それらが起きなければ保険金は支払われない。

名前は違えど、実は賭け事と本質的には変わらないということだ!

保険をかけた本人は、もちろん事故に合わないようにと、賭けに「当たらない」ようにと願っているわけですが、当たってしまったらお金がでて、リスクヘッジされますよね。

オーガーなら、こうして保険の手続きをも、P2Pで実現することができます。

これにより保険ビジネスにおいて大幅にコストや削減ができ、世界の誰もがこのブロックチェーン化された保険商品であるオーガーの未来予測に参加できる、とされています。

オーガーの強さ:ブロックチェーンベースであること

オーガーはブロックチェーンを使っていますので、中央サーバというものが存在しません。具体的には、イーサリアムのブロックチェーン上に構築されている「分散プラットフォーム」であると言えます。

ですから、オーガーを停止させるにはイーサリアムを完全に破壊するしかありませんが、それはほぼ不可能なことです。

スマートコントラクトで主催者・胴元が不要に

ずばり、もう一つのオーガーの素晴らしさはイーサリアムのスマートコントラクト機能を使用したことによる「人間の胴元のいない、冷徹な自動化」にあります。

オーガーのように分散型の賭博ブックメーカーをやるならば、次の機能が必要となるでしょう。

  1. 誰でも賭け事設定が可能
  2. 誰でもそれに簡単に賭けられる
  3. 予想結果を人間(胴元)が判断せず自動判断
  4. 配当を胴元を経ずに自動的に実現させる

オーガーは全てイーサリアムのスマートコントラクトを利用しこれらを実現しています。

オーガーでなら、どんな人でも自由に賭け事を設定し、このネットワーク上で募集することが出来ます。

例えば、次のサッカーの試合の結果予想や、台風が来週ハワイを直撃するか?というような、様々な内容です。

この賭けに参加希望の人は、指定のアドレスへビットコインやイーサリアムなどを送金すればOK。

掛け金はスマートコントラクトによってしっかりと保護され、いんちきは絶対にできないようになっています。

結果が出ると、ソフトウェアにより自動的に配当が発行されます。そこには人間の胴元が介在しません。

予想イベント終了で、スマートコントラクトが実行され、その結果に基づいて報酬が適切に再配分され、賭け金の没収も同時に行われます。クリーンで、透明な賭け事、さらには保険業務が行えるわけです。

重要な「レポーター」の存在

オーガーでは予測結果の認定さえも分散的に行っています。少数の主催者が認定するのではなく、「レポーター(Reporter)」という事実認定作業者が、ネットワーク上で分散的に事実認定を行うことになります。

レポーターは、定期的に予測結果を判断して報告し、正しく報告した場合に報酬を得られます。ただしそのために、レポーターになるための一定額の供託金を支払います。

もし多数のレポーターの報告内容が同じなら、それが正解とみなされ、賭けを当てた人には報酬が与えられるのはもちろん、それらの「多数派レポーター」も報酬があります。

「ハワイに台風が直撃するか?」という予想に対して、レポーターA「直撃しました」レポーターB「直撃しました」レポーターC「直撃!」レポーターD「来ていません!」と報告した場合、自動的に、多数派の報告「直撃です」が事実として確定し、A、B、Cさんに報酬が与えられます。

レポーターDの台風は来ていないというのは、大きく食い違うため、間違いだと認定され、Dさんの評価はマイナスとなります。

レポーターは、オーガー上での報告業務につき、定期的に報告されますが、すべての人が見るためにプレーンテキストで一般公開することになっています。誰が真面目に正しく報告しているのかが一目瞭然です。

長く続けていけば、正直であったレポーターには評判がさらに高まります。一方、不正直なレポーターは当然マイナス評価がたまり、評判がドンドン下がります。

レポーターにインセンティブを与えているため、レポーター達は常に誠実にやろうとし、そしてオーガーは予測市場で信頼できるプラットフォームであり続けるというわけです。

オーガーの貨幣はREP

予測市場でのお金のやりとり、報酬は、オーガー内のトークンを使います。

単位を REPといい、これはReputation(評判)という意味です。そうです。「オーガーコイン」というコインはなくて、正しくは、REPというトークンです。

発行上限は11000000REPになっています。

REPの相場は、2017年春の1REP=940円から2倍程度になり、横ばいだったものの、2017年暮れから2018年1月のビットコイン暴騰に引きずられ暴騰。最高値は13700円を付けました。

2018年3月後半は3800円台で落ち着いていますが、ビットコインの動静に、イーサリアムも影響を受け、イーサリアムが上がればREPも上がるという構図がありますので、現在底堅くなってきたビットコインがこれから好調になれば、REPもじわじわと高騰していくかもしれませんね。

オーガーがもたらす未来

オーガーのスマートコントラクト化された賭博はユニークなことですが、やはり一番の売りは、集中化していない点でしょう。

集中化されたプラットフォームには必ず「単一障害点」が存在しますが、分散型システムならそれを回避できます。

中央サーバがないため、ハッキングして改ざんすることができませんし、サーバが止まって、データが見られないというトラブルとも無縁です。

オーガーの分散型予測市場プラットフォームならば、世界中の誰もが将来のイベントの結果についての質問もでき、参加したい市場の成果(例えば、新興企業のABCカンパニーの業務は、今後成功するだろうか?)を見ながら、その株式を売買したりもできますね。

将来は、みんなが「集合知・群衆の知恵に従って投資すればいいじゃん」?と考え出すでしょうね。

マルチ商法で荒稼ぎしている、伝説のトレーダー!今回マニュアル購入と、セミナー参加権を特別限定販売!とか、最後のチャンス!とか言う詐欺師にとっては、とてつもない打撃でしょう。

オーガーの問題と課題

残念ながら、オーガーで言う予測市場は、内容によっては世間的には「賭博」または「ギャンブル」とみなされます。

ユーザーは各国の法律に従う必要があり、オーガーの行なっていることがこの国では違法化どうか個々人が判断しなくてはなりません。

例えば、野球の試合結果を予想して、その結果利益を取るのは、日本で言えば「賭博罪(刑法185条)」にあたります。もちろん、友人間で賭けて、負けたら缶コーヒーをおごるくらいの賭けなら問題ないですが、金銭を賭けたら違法行為となります。

REPの売買そのものは賭博とは別物と考えられます。

今お住まいの地域の現行の法律に従い、オーガーのイベントの合法性をよく確認してから参加ください。

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